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暖風

今年の二月が終わる
どこへ彷徨う三月
たくさんの良いことを
大好きな二月にあげようと
おもっていた けれど
少し重めの地震が来ただけの
いま冬鳥もまもなく帰る
庭には
気の早いチューリップが
3センチほど芽を出して
四月が残酷な月である前に

毎日踏みしめる霜柱に
暖かさを感じていた
やさしい二月をすぎて
三月の風は暖かく残酷に
傷口を開く
まるで無かったと言いながら
新しい芽にささやき
隠していた罪や悪をあばき
そのまま
次の季節へむかう
停滞の気持ちのままで
明日は三月
さようなら