岩石:I Am a Rock
岩石:I Am a Rock
https://youtu.be/JKlSVNxLB-A
地震や噴火も気になるし少し長めの軸で見てみようと地球史などの書き物を読んだりすると、岩石の名前がよく出てくる。
「・・・岩」や「・・・石」と言っても分類上のどのレベルなのか、はたまた通称なのか、よく分からない。
ということで体系的にはどうなっているのか、ネットで検索したりしてみるとおおよそ次のようになっていることが見えてくる。
実物の岩石を見て素人が同定するためには色・模様・脆さや周辺の地形などに頼るしかなさそうだけど、やっぱり難しそう。
■生成方法による大分類を用いた体系が一般的
◆火成岩(igneous rock):マグマが冷えて固まった岩石
細分するときには主に冷却速度と組成で分類する。
◇火山岩(volcanic rock):マグマが急激に冷えた
・玄武岩(basalt):塩基性で黒っぽい。名前は城崎温泉の近くの玄武洞に由来する
・安山岩(andesite):中性の火山岩。名前はアンデス山に由来する
サヌカイト(sanukite:讃岐岩)など特徴的な安山岩もいろいろある
・流紋岩(rhyolite):酸性の白っぽい火山岩で、深成岩の花崗岩に対応する成分
黒曜石(obsidian):ガラス質で黒っぽい黒曜石も流紋岩の一種で石器の素材として利用されてきた
・キンバーライト(kimberlite):超塩基性。ダイヤモンド原石を含む
◇(半深成岩):今ではこの区分はほとんど使われていない
◇深成岩(plutonic rock):マグマがゆっくり冷えた
・斑糲[はんれい]岩(gabbro):塩基性で火山岩の玄武岩に対応する組成。糲(=黒米)に由来する
・閃緑岩(diorite):中性の岩石で花崗岩より黒っぽく斑糲岩ほどは黒くない。火山岩の安山岩に対応する成分
・花崗岩(granite):酸性の岩石で、火山岩の流紋岩に対応する成分。
御影石は石材としての花崗岩の呼び名(日本では閃緑岩との中間である花崗閃緑岩が多い)
・橄欖[かんらん]岩(peridotite):超塩基性の深成岩
◆堆積岩(sedimentary rock):昔は水成岩とも呼ばれていた
◇砕屑岩[さいせつがん](clastic rock):一般的な堆積岩
・礫岩(conglomerate):礫を主体とする岩石:砕屑物の平均粒径が2mm以上のもの
・砂岩(sandstone):砂を主体とする岩石:砕屑物の平均粒径が2~1/16mmのもの
・泥岩(mudstone):シルトや粘土を主体とする岩石: 砕屑物の平均粒径が1/16mm以下のもの
・シルト岩(silt stone):泥岩の中で平均粒径が1/256mm以上1/16mm以下のもの:シルトが主体
・粘土岩(clay stone):泥岩の中で平均粒径が1/256mm以下のもの:粘土が主体
・頁岩[けつがん](shale):薄く割れる「劈[へき]開性」を持つ泥岩の一種
◇火砕岩(pyroclastic rock):火山噴出物起源の堆積岩
・凝灰岩(tuff):火山灰(volcanic ash)を主体とする岩石
・火山礫凝灰岩(lapilli tuff):火山灰を主体とし,火山礫(lapilli)を含む岩石
・凝灰角礫岩(tuff breccia):火山灰を主体とし,火山岩塊(volcanic blocks)や火山礫を含む岩石
◇生物岩(organic rock、organic sediments、biolites):生物起源の堆積岩
・石灰岩(limestone):石灰質の殻をもつサンゴ(coral)や有孔虫(foraminifera)などの生物が起源の岩石
「炭酸岩塩」とも言う、塩酸などの強酸と反応して二酸化炭素を出す
・チャート(chert)・角岩[かくがん]:珪質の殻をもつ放散虫(radiolarian)や珪藻(diatom)などの微生物が起源の岩石
☆フリント(flint)・燧石[ひうちいし・すいせき]・火打石:非常に硬質(モース硬度:6 - 7)な玉髄質の石英(水晶・玻璃)からできているチャートの一種
珪質のノジュール(団塊)とも呼ばれる。
続成作用の過程で生成された二次的濃集沈殿岩である。
◆変成岩(metamorphic rock):原岩になった岩石(母岩)の種類と、受けた変成作用の性質により分類
◇接触変成岩(熱変成岩):貫入したマグマの熱により周囲の岩石が変成して形成される変成岩
・結晶質石灰岩(crystalline limestone):源岩は石灰岩。炭酸カルシウム(CaCO3)を成分とする方解石が再結晶して大きくなっている
石灰岩と同様に塩酸などと反応する
大理石(marble)は石材としての呼び名。産地の中国雲南省大理府に由来。英語はギリシャ語のmarmaros(白く光る石)に由来
・珪岩(quartzite):源岩はチャートなど
・ホルンフェルス(hornfels):源岩は砂岩、泥岩、頁岩
変成で生成された紅柱石(andalusite)や菫青石(cordierite)の結晶を含むものもある
・スカルン(skarn):源岩は石灰岩、苦灰岩
・グライゼン(英雲岩:greisen):高度に変成を受けた花崗岩またはペグマタイト
◇広域変成岩:源岩が地下深部で高温高圧下にさらされて形成される変成岩
・粘板岩(スレート:slate):源岩は泥岩や頁岩などの堆積岩。
元の堆積面とは関係なく圧密作用に垂直に薄くスレート劈開する
防水性などに富み洋の東西を問わず瓦など建築材料に用いられる
日本では雄勝石、那智黒石や高田硯などが有名
・千枚岩(phyllite):スレートと片岩の中間の変成度
・片岩(結晶片岩:crystalline schist):片理(schistosity)と呼ばれる板状に割れやすい面状構造を持つ
・片麻岩(gneiss):片岩の鉱物の粒度が大きくなり縞状の構造が顕著になったもの、英語名はドイツ語の火打ち石に由来
◇変成岩の分類には他に動力変成岩や衝撃変成岩というものもある。
#知ポタ
▼広島大学:「岩石の種類」:ここは引用だが「岩石名の由来」などもある。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/mfukuok/er/ES_C.html#anchor1146085
▼Wikipedia:(とっかかりとしての)カテゴリ「岩石学」
https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E5%B2%A9%E7%9F%B3%E5%AD%A6
▼「岩石の一覧」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E7%9F%B3%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
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