歴代ジェームズ・ボンドの中では…
4~5日前にふとしたことで「007リビング・デイ・ライツ」が気になりだしてAmazonプライムで観てみました。
この映画は劇場公開時に映画館で観た記憶はあるのですが、ほとんどストーリーを忘れてしまっていて、今回「そうそう、こんな感じだった!」と観ながら思い出しました。
この映画はショーン・コネリー、ジョージ・レイゼンビー、ロジャー・ムーアに続くシリーズ4人目のボンドとなるティモシー・ダルトンが初登場した作品ですけど、結局ティモシー・ダルトンは次の「消されたライセンス」まででボンド役を降板したので、今となってはこのボンドはレアな感じもしますね。
いつの間にか「おちゃらけアクション映画」になってしまっていた007シリーズにシリアスさを取り戻すべく、新しいボンド像を作ろうとしたティモシー・ダルトンですが、道半ばで終わってしまったって結果になりましたね。
ティモシー・ダルトンのボンドは、決して悪い印象ではなかったのですけど、地味だし華と凄みに欠ける感じで、映画自体も面白くはあるけれど、お決まりのシークエンス以外は普通のスパイ・アクション映画になっていました。
ティモシー・ダルトンの後はピアーズ・ブロスナンがボンド役を引き継ぎ、こちらは基本に立ち返ってなかなか魅力的なボンドを演じてくれましたけど、古くからのファンにとってはショーン・コネリーを超えるまではいかなかったって印象ですね。
まあオリジナルにはアドバンテージがありますから、仕方がないですね。
ただ私が、そのショーン・コネリーをついに超えたと思ったのがダニエル・クレイグでした。
それまでの007映画は、結局、良くも悪くもリアル感の無い「マンガ的おとぎ話」でしたけど、ダニエル・クレイグが初主演した「カジノ・ロワイヤル」以降は「リアリティのあるスパイ・ファンタジー」になった気がします。
元々「007は殺しの番号」ってとこから始まったシリーズですし、ジェームズ・ボンドはスパイっていうより破壊工作員であり「殺し屋」なんですよね。イーサン・ハントやジャック・ライアンは「アメリカに歯向かう悪は許さん!!」ていう天真爛漫な正義の味方ですけど、ジェームズ・ボンドはそんなに単純ではない。かといってアンチヒーロー的に大暴れするジェイソン・ボーンとも違う。
「007シリーズ」って、小洒落たスタイルと派手なアクションのせいで、ややもすると「サービス過剰のお子様ランチ的エンターテイメント作品」になりがちですけど、主人公のジェームズ・ボンドには子供向けではない怖くて冷たい芯の強さが無いといけない気がします。
そしてショーン・コネリーにはそれがありましたけど、その後のボンドには無くなってしまいました。
しかしダニエル・クレイグのボンドにはショーン・コネリー以上にそれがありますね。
決して殺しが好きなわけじゃなく、人間的な弱さや失敗もあるけれど、目的のためには躊躇なく人を殺すヒヤリとするような冷たさ。
ティモシー・ダルトンの甘いボンドの後には、そういうダニエル・クレイグのリアルな「殺し屋」ボンドが観たくなり「リビング・デイ・ライツ」を観てすぐ「カジノ・ロワイヤル」「慰めの報酬」「スカイフォール」「スペクター」の4作品を連続で観ました!!
いや~やはり、ダニエル・クレイグは素晴らしかった!!
私的には史上最高のジェームズ・ボンドですね。
次回作の「ノー・タイム・トゥ・ダイ」でダニエル・クレイグはボンド役を降板するそうですけど、本当に残念です!!
何はともあれ、久しぶりに「007映画」にどハマりしたここ4~5日でした!