「君が君のままでいる」のが羨ましい
インターン生のホワン君(中国人)に「君が君のままでいるのが羨ましい」と言われて?となった。
21歳の大学生、何を哲学的なこと言っちゃって。
「どうゆうこと?」と言ったら、こんな答えが返ってきた。
ホワン君:「僕の勝手なイメージなんだけど、日本人は感情をあまり表に出さず、嫌なことがあっても表面上は大丈夫なふりをしている印象があるんだよね。でも、君は違う。
言い方はおかしいかもしれないけど、子供みたいな感じがする。
嬉しい時は本当に嬉しそうにするし、嫌なことには嫌って言うし、言いたいことを言うし。
だからイメージしていた日本人とは違ってて、ビックリしたんだ。」
子供みたいな感じって・・・もっと違う表現はないのかい?青年(笑)
私:「じゃぁ、どうして羨ましいの?」
ホワン君:「中国では自分を押さえていた気がするんだ。好きなように振舞えなかった。君を見ていると、もっと自分を出していいんだって思える。
だから「羨ましい」って言ったんだ。
ここで働くようになって、少し自分を解放できた気がする。」
なるほど。
彼が大学卒業後にどうしてフランスに残りたいのかが分かった気がした。
ホワン君:「君は最初からそうだったの?」
私:「そうじゃないよ。小さい頃は自分らしく感情を表現していたのに、大きくなるにつれて感情を抑え込むようになってしまったの。
君もそうじゃない?
人に合わせなきゃとか、○○しないといけない、○○やるべきとか、
制限の多い窮屈な世界に生きていたなと思う。
ずっと親や学校、社会のせいにしていた気がする。
でも結局は「自分で作っている枠」にすぎなかったんだけどね。
それをフランス社会の中で(自由すぎる人達の中で)揉まれて、徐々に自分を解放していった感じかな。だから最初からそうだったわけじゃないよ。」
ホワン君: 「じゃぁ、僕も変われるかもしれないね。」
私: 「もちろん。君は既に変わってきているじゃない。」
ホワン君がパッと笑顔になった。
歳を重ねるごとに、何か人の役に立つことをしたいと思ってはいるものの、まだ何もできていない。
ただ、自分が自分らしく生きることで、誰かに希望や勇気を与えることができたら、それはそれで誰かの役に立ったことになるんじゃないのか?
そんなことを彼との会話の中で思っていた。