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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか160】12月(3)腱鞘炎その後
11月半ば、右手首の痛みで病院に行った結果、レントゲンとエコーを撮ることになった。レントゲンは11月中にできたが、エコーの方は12月の初めしか予約が取れなかった。
前回、レントゲンを撮りにいったときに、フランス語ができないために苦労した(できなくても何とかなった)経験がある。今回も受付の人があのときと同じ人だったら、またため息つかれちゃうんだろうか。向こうもこっちも苦笑いになるんだろうか…と思いつつ、今度は夕方の17時45分のアポ、もう真っ暗な道を歩いていった。
12月に入って、街の中がクリスマス一色だ。観光用ではない、地元の人向けの教会がラボの近くにあるのだが、そこもライトアップされていた。
入り口のドアを開けて、ぼんじゅーる、とご挨拶。お、今日はこないだとは別の人が受付に座っている。大変にこやかだ。アンドレ先生に出してもらったエコーの指示書を見せて、名前を名乗り、「予約があるんです」と言ってみる。「あー、エコーの予約ね。あなた、生まれたときの名字は清水ね?」。何を言われているのかは分からなくても、「しみず」という音は分かる。ういうい。「電話番号は?」「え、ちょっと待って」と慌ててスマホをいじる。自分の電話番号は覚えていないし、見ながらですらフランス語で言えるかどうか怪しい。「えーっと、ぜろ、しす…」とたどたどしく読もうとしたら、あちらから手元にある私の電話番号を読み上げてくれた。ういうい、それです、めるしーぼくー。
「社会保険のカードは?」ほら、おいでなすったぞ。前回で学習済みだ。「フランスの社会保険には入っていません。日本の民間の保険がカバーします」練習してきたもん。「了解! ちょっと待っててね」。よしよし。スムーズだ。これは、私のフランス語力が向上したわけではない。前回経験して流れが分かっているのと、このときの受付の人が終始笑顔だったおかげだ。
因みに、このタイミングで前回の受付の人が退勤するところで、「今日は息子を迎えに行かなきゃいけないのよー」みたいなことを言いながら帰っていった。なんだ、同僚には愛想いいんじゃん。
しばらく待っていたら、検査してくれるお医者さん(技師さんというべきか? でも、書類にはDr.という肩書きがある)が「まだーむいざわ?」と呼びに来てくれた。私と同世代と思われる女性だ。検査の部屋に連れて行かれる。
この先生は英語を話さない人だった。なので、以下は推測である。「そこに荷物置いてね。コートはそこに掛けて。右手首だけでいいのよね。はい、ここに座って、手首ここに置いて。ジェルを塗るわよ、ちょっと冷たいけど、ごめんね。何やったの?転んだの?」「いえ、ちょっと孫を…(抱っこしてゆする仕草)」「あー、なるほどなるほど。赤ちゃんの世話は大変よね。はい、ちょっとこっちに傾けて。はい、これでおしまい」。
超音波検査だから、その場で結果を見ながら話してくれるんだけど、何しろフランス語なので分からない。でも、どうも雰囲気的にたいしたことはなさそうだ。「シリアスなことは何もない?」「ないない!安心して!」めるしーぼくー。
受付に戻って、結果のレポートをもらって、会計を済ませて、領収書も忘れずに。37.80ユーロ=6000円ちょい。今日は全部フランス語+ボディランゲージで乗り切った。先月のレントゲンの時に比べて、大人の階段を1つ昇った気分だ(錯覚です。応対してくれた人が親切だったおかげです)。
家に帰ってから、レントゲンとエコーの結果が載ったレポートにあるQRコードを読んで、それぞれのレポートと画像をダウンロードする。それを添付して、アンドレ先生にメールを送る。痛みは良くなってきてます、これからどうすればいいでしょう。1週間後、アンドレ先生から返信があり、検査結果はおーるおっけー、痛みが軽くなったならこれで様子見でいいと思うよ!とのこと。よしよし、まずは無罪放免だ。関節に水とかじゃなくて良かった。
今はべべさんの世話をするときだけ用心してサポーターをしているが、家事などのほとんどはサポーターなしでも痛みを感じなくなった。専門家に診てもらうの大事。そして、医療保険にちゃんと入っておくの大事。