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【私の年のせいなのか ここが日本じゃないからか99】9月(13)体調管理⑥

 さて、日本から持ってきた薬は、まだそれぞれ一定期間分はあるのだが、これは取っておいて、今日出されたものを試していこう。合わなかったら次の手を考えないといけないからね。
 薬を飲み始めたのが9月中旬。血圧とコレステロールはすぐには変化しないだろうから、まあしばらく真面目に飲もう。2つに割って飲むように言われた抗コレステロール剤は、うちに帰って分かった、絶対割れない。めちゃ小さい丸い錠剤だもん。薬剤師さんの指示通り、2日に一回飲むことにする。

 問題は、睡眠導入剤だった。
 もともと私が日本で飲んでいたものは、特に強い薬ではなかった。服用して1時間ぐらいで自然な眠気が来る。飲んでから6時間は車の運転などは避けるように言われていたが、体感的には、服用後いつでも物音がすれば目が覚め、特に違和感はなかった。だから、修学旅行のときでも夜中に生徒の声がすれば起きられたし、べべさんの夜中のケアにもあたることができていた。

 新たに処方された薬を飲んでみた最初の夜、寝付きまではいつも通りだった。うんうん、飲んでから1時間後に自然におねむになった、よしよし。
 ところが、夜中にべべさんの泣き声で目を覚ましたとき、確かに目はちゃんと覚めたのだが、何となく身体の芯がふらつく感じがある。べべさんのお世話が終わってから布団に入っても、枕に乗せた頭がくらくらして、不快感がある。朝まで何度かの覚醒のたびに、弱まってはいったものの、違和感が残った。これはマズい。キツすぎるのか? それこそ、半分の量だけ飲むっていうわけにはいかないか?

 そこで翌日、婿に頼んで、薬剤師さんに問い合わせてもらった。半分に割って飲んでOKとの返事だった。
 問題は、薬剤師さんと話した婿が心配になってしまったことだ。薬剤師さんに、この薬は相当強い、最終手段みたいな薬だ、初めて飲む人は気をつけなきゃいけないと言われたと(それ、最初に言ってくれませんか)。それを聞いて、私もびびってしまった。まじすか、ドクター、何を出してくれちゃったの。
 薬の名前は分かっているから、ネットで検索する。英語でしか読めないので、十分理解できたかどうかは自信がないが、特別強い薬でもない、効果は短時間に限定されている、ように思われた。
 その晩は半量にしてみた。確かに一錠のときよりはずっとましだ。でも、やっぱり副作用はある。意識しているからかもしれないけど、ちょっとだけくらっとする。そして、口の渇きが強い。うーん、この薬を飲み続けるのは、どうもやだな。

 副作用の問題よりも何よりも、婿に不安感を与えるのだけは避けたい。婿は今まで、私が毎晩睡眠導入剤を飲んでいるとは思っていなかったらしい。たまに寝付けないときだけ飲んでるぐらいに思っていたのが、毎晩だったとは。そこで娘に、「お母さんはsleeping pillを飲んでいて、夜中に起きて大丈夫なのか」と聞いたそうだ。そりゃそうだよ、ラリってる人間に自分の子どもを触られたいとは誰も思わないよね。さあ、どうする?

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