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空きスペースは黄金ビジネス #2
”空きスペース”を活用したビジネスとは、ビルの倉庫や階段下スペースを有効活用してビジネスをする方法のことを”坪ビジネス”と読んでいます。要は建物の空いているスペースを使って、狭い場所だからこその利点を活用し、利益率の高いビジネスを展開することです。
”空きスペース”ってどこに?
では、ビルの”空きスペース”といっても具体的にどこがあるでしょうか?
私が推奨するのは、路面に面した空きスペースです。例えば、私のお店”Sparkling Arashiyama”のように階段フロアがビルの道路側に設置されているケースです。階段下には、必ずスペースがあります。階段の構造上1階から数段ステップがあり、次に踊り場がありくるっと180度もしくは90度回転し、また数段ステップをあがると2階に到着というパターンが殆どではないでしょうか。この踊り場の下こそが宝が隠されている”黄金のスペース”です。
この写真だと、ちょっとわかりにくいですが、この四角形の筒の中に右回りの階段が配置されています。
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階段の下ですので、天井はステップ状に斜めになっています。使いづらいように感じますが、工夫次第で通常のテナントよりも効率的にお洒落に収納ができたりします。例えば、ステップ毎に棚を取り付けてディスプレイをしたり、収納に利用したり工夫次第でスペースを有効利用することができます。そして意外とお洒落に見えたりします。
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「狭い」からとそれだけを考えると、出来ることが限定されるように感じますが、物事には必ずメリットとデメリットの側面があります。プラスの方に目を向け発想を柔軟にすることで意外と面白い店創りができるものです。
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こういった場所を見つけるのは、確かに大変な側面があります。なぜなら、表立ってテナント物件として世に出ていないからです。
だからこそ、ここならカフェとしてやっていけるという地域であれば、積極的に探し、建物のオーナーと折衝すれば道は開けます。
何よりも、良いことは、建物のオーナーは、現在所有している建物から更にお金を生み出せるという発想もありません。こちらにしてみればテナントというような、ちゃんとした貸出物件ではないので、格安で借りることができます。
極端な例ですが、週末だけ建物の軒下を貸してもらい、テイクアウトのドリンク販売カフェなら、1万円でもお釣りがくるような折衝も可能です。
ですので、既存の空間を借りるという概念ではなく、空いているデッドスペースに目をつけて、建物オーナーと協業するようなイメージです。
確かに排水や電気設備など、完全ではありませんが、それは通常のカフェ開業でも同様につきまとう事ですので、さほど大きな問題ではありません。むしろ面積が小さい分、工事費を劇的に抑えることができますので、メリットだらけです。
そして、カフェ経営で最も経費がかかるのは地代(家賃)ではないでしょうか?規模にもよりますが、小さなカフェでも10万〜15万といった感じではないでしょうか?地方により地代は大きく変わりますが、売上に対して地代の占める割合は高いものです。
空きスペースを活用してのカフェ展開なら、地代は1/3くらい、交渉次第では1/5くらいでも借りることができます。
これが「空きスペースは黄金ビジネス」と言っている理由です。
スペースが小さい=地代が安い(地代と認識されていないスペースなので格安)、作業の効率化が図れる、作業の効率化は商品提供のスピードにも影響する、光熱費水費が安く済む、物理的に人が入れる数も限られるため人件費もかなりの節約になる。
など、メリットだらけです。
ですので、テイクアウトドリンク専門のお店なら多店舗展開も可能なビジネスモデルです。
デメリットを上げるとするなら、客席を設けられない(設けられても少数)、事務作業などするスペースが取りづらい、充実した設備が入れられない、一般に出回ってる物件ではないため自分の足で開拓しなければいけない、といったところでしょうか。
カフェをテーマとして話していますが、占いやカウンセリング、アクセサリー販売など展開が可能です。場合によってはマンツーマンでの語学を教える教室なんかも面白いかも知れません。
このような観点でビルを見ていると、空いているスペースを活用して収益に繋げることが見えてきたのではないしょうか。建物の立地、人の行き交う導線、通行する人の性別や年齢、特徴など見ていくと様々なチャンスが隠れていて、お金を生むスペースに変えることが出来る宝庫と言えますね!