シシリアン・ディフェンスを指そう①

今回は思い出話ではなく、チェスのオープニング(戦型・定跡)をご紹介。
第1回はチェスで最も人気のオープニング、シシリアン・ディフェンスである。私にとっても初めて学んだ定跡で、非常に思い出深い。(第2回記事参照)

白黒ともにバリエーション(変化)が多く、黒から攻勢を取ることもできるのが大きな特徴。では、順を追って説明していこう。

1. e4 c5

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シシリアン・ディフェンスの出だし。d4の地点を支配することで、白にe4,d4とセンターにポーンが並ぶ好形を許さない。

2. Nf3 d6

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ここでは、2...e6や2...Nc6も有力。

3. d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3

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白は大事なセンターポーンの1つを失うが、d4の地点の支配を取り返し、ナイトをセンターに運ぶことで、駒の働きの良さを主張する。
このポーンを交換する戦型を、オープン・シシリアンと呼ぶ。
黒にとって、5手目は作戦の分岐点である。

① 5...a6
ナイドルフ・バリエーション
世界で1番人気かつ1番研究が進んでいる変化。
伝説のワールドチャンピオン、ボビー・フィッシャーが得意としていた。

② 5...e6
シュエベニンゲン・バリエーション
ナイドルフと比べると比較的ゆったりした変化。
20世紀の絶対王者、ガルリ・カスパロフが得意としていた。

③ 5...g6
ドラゴン・バリエーション
激しい攻め合いが魅力の変化。
ドラゴンの由来は、黒のキングサイドのポーンの形が星座の「りゅう座」に似ているからとのこと。

④ 5...Nc6
クラシカル・バリエーション
1850年頃、シシリアンが生まれたときから指されている変化[1]。
日本では、2019年全日本チャンピオンで将棋棋士の青嶋未来五段が得意としている。

まずは、どれか1つ選んで実際に指してみましょう!!

参考文献:
[1]Irving Chernev(1982)「Capablanca's Best Chess Endings」, Dover Publications; Annotated

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Hiromasa Saito
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