芸能人の自死🍀その報道姿勢を問う
* 最初にお伝えしておきます。今回の投稿は、自死をテーマに書かせていただきました。
刺激の強い表現は抑えたつもりですが。精神的に不安定になられてる方は、読むのをお控えください。
『有名人の自死🍀その報道姿勢を問う』
毎年5月になると気になるんですよね。〈今年の梅雨入りは、例年よりも早くなるの?〉
《梅雨入りしたら読書を楽しもう。ギターも練習しようかな》などと思い、呑気に空を見上げていた5月上旬に。梅雨入りの情報よりも、気分が憂鬱になるニュースがテレビから流れて来ました。
きっと皆さんも驚かれたでしょう。芸能人の自死のニュース。
力強く、爽やかなイメージの俳優さん。そして、ひょうきんで憎めないキャラクターのお笑い芸人さん。才能に恵まれて、誰もが羨むような華やかな生活をしている(というイメージの)芸能人の自死ですから。
《こんなに人気のある人が、なぜ?》
僕も驚きました。
芸能人についてのニュースは、多くの人が関心を寄せます。結婚した、出演作に恵まれた、というような幸せな出来事だけでなく不幸事についてもセンセーショナルに扱われる。
芸能界には、タレントの人格やプライバシーが乱暴に扱われて来た残念な歴史が有りますね。
芸能人だって生身の人間。悩みも有れば弱い部分もある。その自死について、あまり特別なものとして受け止めない方が良いでしょう。
きっと辛い事情が有ったから亡くなられたのです。しつこく原因を追求したりするのは控えて、報道は慎重に行うべきですね。
人の不幸事は、それが芸能人であっても、 そっとしておくもの。僕らには、こういう常識が有ります。だから 今回 続いた不幸事も騒ぐことは無い。ただ静かに哀悼の意を捧げれば良い。
ですがテレビの報道を見て、僕の頭の中で大きな疑問が膨らんだのです。この疑問は、個別の自死に対してのものではありません。最近の自死についての報道全般に対してのモヤモヤ感が、まるで風船のように徐々に膨らんで。破裂寸前となった時点で、はっきりとした疑問になったのです。
今回、限界まで大きく膨らんだ疑問をテーマに書きたくなった。テレビの報道姿勢、ちょっと気持ちが悪い。
僕は報道番組の製作者に問いたいのです。
《おい、おい、おい!テレビよ、そんなに腰の引けた報道姿勢で良いのかい?》
勿体ぶった表現が嫌いですので、ストレートな表現で書かせていただきます。最近の芸能人の自死報道を見て、僕が抱えた疑問。それを一言に要約すると
《自死については、もっと強く否定した方が良いよね?》です。
こういった報道は慎重にあるべきですが。慎重の度が過ぎて、実態としてテレビの番組制作者は《臆病》な姿勢になっているのではないでしょうか?
確かに過去の報道については(昭和や平成時代には)遺族感情を傷つけるものも多かった。故人を冒涜するような酷いものも有った。だから自主規制を設けて改善していく事は必要です。
ファンによる不幸の連鎖の心配があります。ファンでなくても、不安定な状態にある視聴者が感情的な反応をしてしまう可能性もある。慎重に言葉を選んで、落ち着いた雰囲気で報道をするのは正しい。
しかし報道を見て思う。慎重とは、臆病になる事ではないから。生命倫理に関する重要な点については、もっと強い思いを込めて伝えるべきではないのかと。
自らの命を断つという行為。メディアは もっと強い思いを込めて否定するべきではないでしょうか? 生命倫理についての原則は 揺るがないのですから。
《命は大切にしなければならない》
この点だけは、もっと強い調子で伝えた方が良いと思う。
「何があっても自死だけは選ばないでください」
せめてこの文言を司会者なりコメンテーターなりに発言していただきたいと思う。
ではここで、実際に僕が見たテレビ番組の様子を記してみましょう。
1、まず番組の司会者が(芸能事務所が発表したコメントなどを使って)事実関係を伝える。
2、コメンテーターらが深刻な顔をして「辛い事情が有ったのかも知れないですが。出来れば、ご家族や友人に相談して悲しい選択を避けて欲しかった」というようなコメントをする。
3、番組アシスタントが「自分1人で悩みを抱えないで、医療機関や命の電話などにも相談されますように」と言葉を足す。
4、相談機関名とその電話番号などが告知されて、コマーシャルに入る。
報道番組、情報バラエティー番組の多くが、こういった流れで報道していたように記憶しています。
低く抑えた声のトーン。ゆっくりと事実を伝える。最後に、悩みある視聴者に向けて相談機関の紹介をする。こういった配慮は適切です。誤りは無いのです。
ですが重要な点だけは、もっと思いを込めて強い言葉で伝えた方が良い。「自死を選んではいけませんよ。自死という行為は間違った選択です。」
こういった発言も許されないのでしょうか?
自死そのものを強く否定する。これは、ネガティブな感情を煽る表現ではないでしょう。出来れば、人生でいろんな苦労をされたコメンテーターや年配の専門家などから補足で発言して貰うと良い。
「自死は絶対に選んではいけませんよ」
この言葉の後に、付け足す。
「人生、決して辛いことばかりではないのだから」と。
僕はテレビの番組製作者は臆病だと思う。もっと正確に書くなら、《スポンサーの目を気にし過ぎて、テレビは臆病になった》《バカなクレーマー(視聴者)がテレビを臆病にさせた》と思っています。
司会者やコメンテーターが感情を込めて「自死なんて悲しい選択は、絶対に止めてください」と訴えることが必要なのに。力強さを感じさせる報道は少なく感じました。
最初から最後まで《マニュアル通りに淡々と》伝えるだけでは、社会的使命を果たしたと言えないのでは?僕には、それらがプロの仕事とは思えません。
僕は思うのですよ。言葉のプロである筈なのに、番組製作者は言葉の本質や言葉が持つ力を理解していないと。
大手メディアですから社会への影響は大きい。いろんな配慮が要る。ですが伝えるべき文言については、《感情は込めて良い》のです。「命を大切にしましょう」というメッセージを発信するのですから。言葉に感情が入って当然です。
もしも僕が番組の製作者であるなら。以下のようなコメントをするように出演者にお願いします。
「命が消えると、元には戻りません。人が亡くなると、もう二度と会えなくなる。命を断つことは何よりも悲しい事なのです。」
「耐えられないくらい辛い事が有るなら、とにかく休んでください。そして周りの誰かに相談してください。もしもご家族や友人もいなくて悩まれているなら、今からご案内する相談窓口に電話してください」
この投稿、若い人たちの事も意識して書いています。コロナ禍で亡くなった若者が多いと推測してるからです。未熟な若者たちに誤った選択をしてほしくない。
《人は死んだら、元には戻らなくなる》
これは親族や友人を亡くした経験が有る大人にとっては当然の事ですね。でも子供や若い人たちには《死》にリアリティーなど無いのですね。経験が少ないので、死や命という概念を捉え難いのです。
テレビの影響を受けやすいのは、やはり若い世代かも知れませんね。であるなら自死の報道をする時に伝えてほしい。
「今はね、分からなくても良いんだよ。だけど、偉いお坊さんたちも言ってるんだ。とにかく命は大切にするものだってね」
こういったメッセージを、熱意を持って伝えてほしい。芸能人の自死があった時だけでなく、普段から こういったメッセージを人気の俳優やミュージシャンの口を借りて発信して行くと良いと思います。
僕が今回 書きたかったのはテレビ番組制作者への批判ではありません。その報道姿勢は気にはなりますし、批判したい思いもあります。ですが今は、お願いしたい気持ちでいるのです。テレビの影響力は、まだ大きいので
《命を大切にするというメッセージについて、もっと感情を込めて伝えてほしい》
《大切なのは普段からの報道姿勢であり、命の尊さについては もっと手間や時間をかけて伝えてほしい》
もしも本気で悩みを抱えている視聴者を救いたいのなら、コンプライアンス云々の前に 思いを込めて「自死だけは選んではいけない」と強く伝えていただきたい。
僕が見た報道の中で、1つだけ(一人だけ)自分の思いを込めて自分の言葉で「自死の無い世の中になってほしい」というメッセージを伝えている番組が有りました。
関西系の夕方の情報バラエティー番組だったと記憶してます。ベテランのジャーナリストでした。《人それぞれ、いろんな事情が有るんだから。辛い時は無理しなくても良いじゃないですか。芸能人の皆さんだって、辛いことも有るんだから》と語るその姿は、多くの視聴者の胸に響いたと思います。
(たどたどしい話し方であったのは、コンプライアンスの縛りがある中、自分なりに誠実に思いを発言されていたからです。流暢な言葉でなくても、思いを伝える事は出来るのですね)
すみません。また長々とした拙文となってしまいましたね。
皆さんは、ここ最近の芸能人の自死の報道について どのように感じておられるでしょうか?
《命を大切にしてほしい》というメッセージ発信。その力強さが、今のテレビ報道に欠けていると僕は感じています。
自死を選んでしまう。この選択には大きな誤りが1千個以上は有ると僕は考えておりますが。全て書くと長くなるので。最後に そのうちの4つを明記して筆を置かせていただきます。
自死を選んではならない4つの理由
1、命は死んだら、元には戻らない。
2、自ら命を断つほどの困難は、人生には無い。
3、醜い命、カッコ悪い人生なんて絶対に無い。
4、すべての命、せっかく産まれて来たのだから
お母ちゃんがお腹を痛めて産んでくれたのだから
お互いに助け合い、大切に守るのが正しい。
投稿の最後になりましたが、この度 亡くなられた俳優さん、お笑い芸人さんに心から哀悼の意を捧げます。
By ひろまる愛理