オーケストラ バンザーイ! 下村さん バンザーイ!!
もはや 『隠れた』名作というイメージは WiiU、NEW3DSへのヴァーチャル・コンソール移植や関連イベントによって変わりつつあるゲームソフト『LIVEALIVE』。その楽曲を手掛けたゲーム作曲家・下村陽子さん。
10年くらい前だったか、フルオーケストラアレンジしたベストアルバム『drammatica』を買って 僕は初めて(かな?)オーケストラの凄さ、演奏の壮大さと美しさの虜になりました。
いや、ちょっと話を盛りましたw
最初に買った時は専ら『LIVEALIVE』の楽曲目当てで買い、まだオーケストラの凄さをわかってなかったと思います。
しかし何年か経ち、僕もある意味で大人になったのでしょうか。感性が少しでも磨かれたのでしょうか。気付けば『LIVEALIVE』以外のアレンジ楽曲も、CDのタイトル通りまさに『劇的(ドラマティック)』な曲ばかりで感激しました。(Amazonでのレビューも文句なしの星5つ!!)
「スバラシイ!! 他にも似たようなアルバムないかしらん?」と思い、ネットサーフィン。
ありました、ありました。約4年前に発売された 下村さんの作曲活動25周年記念の……同じくオーケストラ中心のベストアルバム!タイトルは『memoria!』。
ドラマティックな曲調だった前作とは曲目も趣向も変えて、バラエティー豊かになっています。ピアノデュオから始まる一曲目でもう心を射抜かれましたよ……。まだ購入して数日ですが、毎日聴いています。やっぱり天才だー……スクエニには天才が多すぎる…………。
『LIVEALIVE』のアレンジ楽曲もありましたが、下村さん本人の希望で「LALはヴォーカルアレンジをもっと作りたい」と仰っていて『KISS OF JEALOUSY』『MEGALOMANIA』は歌付きとなっていました。
ご本人も「歌付きは賛否が分かれるのを覚悟した上で……」と仰る通り、好みが分かれるな、と感じました。
『KISS OF JEALOUSY』は原曲のイメージを損なわず、歌手の人の声質、歌い方も合っていると思いました。しかし個人的には『MEGALOMANIA』の歌はイマイチでした。日本語で『誇大妄想狂』を意味する楽曲で、人間性を失わない者と誇大妄想にとりつかれた化け物、或いは人間の中の悪魔的な精神との死闘を描いたバトル曲です。が、英語詞にすること自体はいいけど、歌詞がどこかチープ……何より歌手の方の歌い方や声質と合ってないと正直思ってしまいます。英語の発音も拙い。もうちょっとふさわしい歌手を雇えなかったのでしょうか……。まあ、元々完成度が極限まで高い一曲ですからね。料理するのが難しいのもわかります。
下村さんもそういった拒否反応を見越して保険なのか、『KISS OF JEALOUSY』『MEGALOMANIA』の2曲はカラオケバージョンもボーナストラックとして収録されています。なので、歌付きが気になる人はカラオケをオススメします(苦笑)
まあ、作品や楽曲が好きすぎる故に辛口なことも言いましたが、いずれも下村陽子さんの集大成となるベストアルバムにふさわしい出来栄え、そして音楽の美しさです。
オーケストラというのは、そもそもクラシックとかオペラなどで何百年も昔から人々に愛され続けている音楽形態ですからね。100人以上いて、一人一人が鍛え抜かれ、選び抜かれたプロの演奏者で、そんな猛者たちが一斉に調和のとれた演奏をするのです。そりゃあ、魅了されますよね(笑) FF6のサントラで植松伸夫さんが「オーケストラでヴァイオリンをビブラートたっぷりに弾かれた日には敵いません」と書かれていたのを思い出します。
これを機に、また芸術的感性を養う為の扉がひとつ見つかりそうです。もっとオーケストラサウンドがスバラシイCDを探してみます。下村陽子さんに限らず、ね。
出来れば 直に生演奏をコンサート会場に通い詰めたいぐらいですが……お金がいくらあっても足りないっつーのっ!!(号泣)