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その先(2021.4.3)

空を見上げるのは
何かが欲しいとき
そこがバスの低い天井でも
欲望は
伸びあがり突き破り
壮麗な尾をひいて
流れて巡っていく
人差し指で
くるくると
地球儀を回すみたいに
無人の空き地で
この指とまれ
その先に
見上げるべき空などなくても

空を見上げるのは
孤独が満ちるとき
巡り巡って手にしたものは
「欲しい」のこだま
地球儀の小ささは
わたくしの小ささ
海も空も
自身を分かつものを知らず
そのこだまは
誰のものとも知れず
波をかえすように
ふたたび巡っていく
その先に
見上げるべき空などなくても


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