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ひとたびひらいたその回路は 緑青が吹いても 風を通し続ける 暗がりからこつこつと 響く足音を頼りに 曲がりくねった山道さながら おいしげる草木にも惑わず ひゅう と 汗を乾かす ならばその風を 追わずには終われない 流れこむ光 つまさき立って はるかす海がそこに 溺れるくらいなら 飲み干してしまえと 旧いままに時を止めて もう閉じられはしないから