シェア
朝食の皿を下げる その瞬間 静けさに満たされたわたしに 傾く夜が 紛れもなくあった ここに時は満ちているけれど 星灯りで地面を辿れば 残骸だけが 息づく国がある 始まりの息 終わりの声 細くつらなるひと続きの それは架空の国 皿の上で 音を立てるナイフ 切り開きかみ砕き すべてを飲み込んだわたしの 朝に訪れた静けさ もう二度とはないなら 永劫と呼べ 舌によみがえる夜を どうにか越えていくのだ