2023年のまとめ 読んだ本
今は、私の人生において「第三次読書ブーム」といったところ。
昨年までとは打って変わって今年はたくさんの本に興味を持ち、読むことができた。
小説、漫画、画集、絵本の「これ」という一冊をまとめてみる。
◆小説
たくさん読んだのでジャンルごとに1冊ずつ。
【ファンタジー】
『イスランの白琥珀』収録掌編『イスランの黒猫』
乾石智子 創元推理文庫
最初から「1冊」のルールを破る。
おまけ的な、7ページの作品です。
のちに国母と呼ばれることとなるイスリル帝国の重要人物イスラン。
若くして夫を亡くし、その後は独身を貫いた彼女の淡い想いに触れる物語。
夫亡きあとのイスランの人生をおとぎ話にしない、イスランに血が通う、そんな話。
この本の感想は記事にしてないし(いつかはしたい)、〈オーリエラントの魔道師〉シリーズの他の短編集も「1冊」に選びたいぐらい好きだけど、この掌編を紹介したかったんです。かわい〜い話。
【十二国記】
『白銀の墟 玄の月』⑴〜⑷
小野不由美 新潮文庫
ジャンルじゃない。作品名だ。1冊だと言っただろう。
まぁ、落ち着いて。
面白かった。すごかった。『白銀の墟 玄の月』以外も読んでね。
【ホラー】
『営繕かるかや怪異譚』
小野不由美 角川文庫
小野不由美ホラーの中では怖くないほうの作品(私は怖かった)。
うちの母が笑いながら読んでいるというつぶやきを投稿したのですが、その後母はこの作品を途中にして『残穢』を読み始めました。いちばん怖いと言われてるやつ。
しかしそれも怖くない、と、飽きちゃったみたいです。
ホラーは怖いと読みたくないけど、怖くなくても面白くないということが分かった。
【SF】
『自生の夢』所収『海の指』
飛浩隆 河出文庫
「今年はいぬいっさんとじゅーにこっきの二本柱だな〜」と思っていたらまさかの三本目。SFブームが来た。
まだ読んだ数が少ないし、SFとひと口に言っても本当に色々で、現時点で読み終えた6作品、全てジャンルが違う!と感じるぐらいどれも違った面白さがあった。
でもひとつ選ぶならこれかなと思う。
今もふと思い出して、ロマンチックなような怖いような寂しいような幸せなような。そんな気持ち。
◆漫画
『家が好きな人』
井田千秋 実業之日本社
たまたま本屋で見つけて、衝動的に買って良かった漫画。
ひとり暮らしの女性の部屋の様子が5人分見られる。
フルカラーの、漫画と絵本のハイブリッドのような紙面は、柔らかな色づかいでガーリーな雰囲気だけど、絵柄はちょっと古きよき少年漫画の様でもある。そんなところも好きです。
5月ごろに買ってから、繰り返し眺めては癒されている。
◆画集
『纏う 透き色の 羽住都画集』
羽住都 東京創元社
東京創元社、創元推理文庫から出ている乾石智子作品の全ての装画を担当している人の画集。
本の装画や挿絵のために描かれた絵がほとんどなのだが、そういった作品は題名が入ったり文庫本サイズになったりと、本の形になっている方がさらに魅力が増すような気がする。
画集で絵として。文庫本で装画として。両方の姿を見たから、そこまで計算して絵を描いているんだなプロはと、凄さを実感できた。
◆絵本
『くつしたをかくせ!』
乙一・文 羽住都・絵
クリスマスにクリスマスの話の絵本を読むのってステキと思って買ってみた。
乙一さんはジョジョのノベライズを書いてるので好きだし、羽住都さんは推しイラストレーターなので最強のタッグ。
世界中の子供たちが「サンタがくるぞ!くつしたをかくせ!」と大人たちに言われて、さまざまな場所に靴下を隠す。
南の島の子は海の中に。
砂漠に住む子はラクダに見張りをさせて砂の中に。
それでも翌朝、靴下の中にはプレゼントが…というサンタ怖ぇぇな話。
乙一さんのあとがきと、乙一さん、羽住都さんそれぞれが書いた自身のプロフィール文も面白かった。おふたり仲いいな。
以上。
これにて年内最後の投稿です。
色々とありがとうございました。
福笑いを作ったので良ければお正月に遊んでみてください。