「言葉にする」はスポーツだ。
「考えているんですけど、うまく言葉にできないんです」
「思いはいっぱいあるんだけど、ありきたりな表現しかできない」
「来てくれた人には伝わるんだけど、知らない人にはわかってもらえない」
「書けるんだけど、伝わっているかわからない」
「言葉にできない」という悩みは深い。
これまで、
「なんとなく、これでいいか」
「みんなこういう風に書いているし」と
言葉にできないもどかしさから、逃げていた人も多いように感じる。
今日、この時間だけは、
「言葉にする」ことから逃げないでいよう、と
私はいつも講座に来てくれた人に伝えている。
うぅー、うまく言葉にできない。
うん、そうだよ!
今まで言葉にできなかった想いを言葉にするために、
今日ここにいるんだよ!
上手く書こうとしなくていい。
カッコいい言葉にする必要はない。
ズバッと言おう、なんて意識しなくていい。
「例えばどういうこと?」
「なんでそう思うの?」
「どういう時に、そう感じるの?」
「その時、どんな言葉を言うと思う?」
ことばを因数分解して、細分化し、具体化する。
そこから、最後に、抽象度を上げて、
あらたな言葉に組みなおしていく。
・・・・
今まで、誰にも、わかってもらえなかった。
こういうことがやりたいと言っても、
理解してもらえなかった。
はじめて伝わった。
言葉にできて、見えてきた、本当の想い。
目頭がじわりと熱くなる。
あふれ出たのは、言葉だけじゃない。
・・・・・・・・・・・・
細部を言うだけで伝わる言葉もある。
抽象的にすることで、
伝わりやすくなる表現もあれば、
漠然として伝わりにくくなることもある。
「自分が言いたいこと」を
「相手が言ってほしいこと」に変える。
アタマから火を噴きそうな、地道な作業だ。
「言葉にする」はスポーツだ。
「読者目線で書きましょう」
「相手の知りたいことを書きましょう」
軽々しく言うけどね。
あのね、それ、そんな単純なことじゃないんだよ。
書いて、書いて、見せあって、
アタマをかきむしって、また書いて、書いて。
そうやって、向き合ったからこそ出てきた言葉が、
本当の言葉なんだ。
言葉にすると、自分は広がっていく。
「今までの自分」「今できること」を上手くまとめるのではなく、
自分を掘り下げ、他の人との違いを明確にし、奥にあるものを、ひとつひとつ言葉にしていくことで、自分を広げていく。
「言葉で仕事をつくる」に込めた想い。
言葉にするは、スポーツだ。
脳味噌に汗をかいて、
もうだめかも、
もう何も出てこないと、
ひぃひぃ言いながら、
それでも言葉にしていく。
自分には何もないと不安になっても、
こんなもんでいいかと諦めそうになっても、
「なんか違う」
「しっくりこない」と自分の中の感覚に嘘をつかない。
そうやって、言葉にしていくと、
ある日突然、
ストンと落ちることがある。
まさに体の中心に「腑に落ちる」瞬間だ。
そして、見つかったと思ったら、
また違うかも、を永遠に繰り返す。
私だってずっとその途中だ。
小さくまとまってんじゃねー!と
上手く小綺麗に伝えても届かないよと
いつも自分に言い聞かせている。
誰でも書けるテンプレートではなく、自分の思いを自分の言葉で伝えたい人に向けて書きました。
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