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鳩の読書記録『古代マヤアステカ不可思議大全』芝崎みゆき著

FGO7章の解像度を上げるための本としてオススメしたいのがこの一冊。

なんかライトそうな読み物だな…と思ったそこのあなた!正しい!
この本は研究書というよりも漫画に近く、作者のヘタウマチックなイラスト満載でお送りするゆるふわ文化大全といった感じ。

しかし侮るなかれ!私は7章後にアステカにハマり色々な本を読んできたけれど、なんかもうこれ一冊で足りるんじゃないかなっていうほどの情報量。

300P足らずの中にメソアメリカ文化がギュギュっと凝縮されており、しかもピンポイント式ではなく、とりあえず網羅しておくか!な内容。

神話から文字、数字、生活、儀式、建築…だいたいのことは書いてある。
それなのにイラスト式でわかりやすく、読まされている感が全くない!
難しい本を読んでいるという実感ないまま好奇心の赴くままにページをめくれるのだ!しかも内容はあまり視覚化されてこなかったアステカ文明。

文章で説明をされてもイメージが浮かばなかったモノがイラストを与えられることでようやく実体を伴う感じ

馴染みのない文化を受け入れようとする時に必ず起こる違和感にも一々ツッコミを入れてくれるのも楽しい。「それはどういうこと!?」でいいんだという謎の安心感がある。

実は作者のことは以前から知っていて

というギリシャ神話や文化の本も出していた。
さらには『古代エジプトうんちく図鑑』なんてものもある。

どちらも独特のイラストとユーモアを交えた内容で面白いけれど、内容はとことんマニアック。そしてほぼ手描きというすごさ。先ほどはウマヘタだなんて紹介したけれど実際はとことんグラフィカル!

文字からイラスト、漫画に至るまですべて見やすい。手書きなのに整然としていて吹き出し・枠の配置にもだいぶ気を使われていることはわかるが、高度なことをしつつもなんかウマヘタな感じでそんな風に見えないのがなんかいい。

高解像度の写真、洗練されたデザイン、お洒落なフォントを使ったポスターが見向きもされないのにコンビニの手書きPOPが頭に残る、そんな感じ。

じゃあふざけた内容かと言われれば全然そんなことはなく、むしろ大真面目
巻末の参考文献なんかを見ると、その数に驚く。そりゃ網羅しているわけだ。

何よりもオススメしたいポイントはわかりやすく言い切らないことで、これまでの学説や最新の学説まで提示した上で「なんなんですかね~」って風に終わるところ。

より人にわかりやすくキャッチ―に伝えることもできるのにそれをしないでわからないものはわからないまま放っておく、なかなかできることではない

茶化しているように見えて歴史や文化というものに真面目なのが一種の持ち味かもしれない…面白おかしく書くだけだったら多分ここまでリスペクトされないと思う…

というのも、この本、実は奈須きのこの本棚にあったり、あの小説『テスカトリポカ』の参考文献にもなっているのだ!つまりは全てのテスカトリポカ的なものの生みの親!(そうかな、そうかも)

勿論他にも参考文献が色々あったはずだけど、この本の手軽さったらない

それにタイトルにはマヤアステカと書かれているが、それら文明のみならず、周辺国のことも書かれていてメソアメリカ全体の流れを知ることができる。なのでマヤ・アステカはある程度知っているけど、その他は…という人も是非手に取って欲しい。

中にはFGOではカーン王国の名で知られるカーヌル王朝のカラクルムに対する記述もあり、ほんの数コマだがカマソッソも登場する。

さぁ今すぐに古代マヤアステカ不思議大全を買うんだ


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