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いいことも悪いことも臓器は覚えている・・・エピゲノムその正体|遺伝子レベルで考えよう自分の生活習慣

遺伝子の使われ方を決める「エピゲノム」。 エピゲノムは、生命科学のメカニズムにおける重要なキーワードです! 遺伝子の機能や臓器の記憶に影響を与えているエピゲノムの働きを知って、遺伝子から生活習慣を見直そう!


エピゲノムについて
科学的な収縮が入ることで遺伝子の使われ方が変わる

私たちは、遺伝子の中のカタログからどれかを選び取り、遺伝子の過去の記憶とこれからインプットされる経験からのメモリーを活用して生きています。どれを選び取るのかという時に「エピゲノム」の機能が働いているのです。遺伝子が使われるとき、2本のDNAは解けます。その際にコピーされたり、タンパク質を作ったりしています。その解け方があるのです。どうやって決まるのでしょうか。それは様々な要素の科学収縮が入ることで遺伝子の使われ方が変わるのです。これを「エピゲノム」と呼びます。

臓器が記憶するメカニズム

血圧や血糖が上がったりすると・・・エピゲノムが作動し、遺伝子に目印が入ります。使われやすくなったり、使われにくくなったりもします。
その後、血圧や血糖が元に戻ると・・・それでも遺伝子の変化はしばらく続きます。これが遺伝子・臓器が記憶するメカニズムなのです。

事例

とある研究で、糖尿病患者を厳格に10年程コントロール治療した後、治療を止め、さらに15年ほど経過を見ていても心筋梗塞やその他の病気を起こしづらいという結果が出ました。これを「ブドウ糖メモリー=遺産効果」と呼び、血糖のコントロールの影響が後まで残るのです。いいことをしていると、その後にも残る。悲しいかな、悪いことをしてしまうと後々もそれを臓器が覚えており、悪い結果として残り続けてしまうことがあるのです。
どうしてそのようなことが起こるのか?それはエピゲノムの変化が残っているということになるのです。その変化はなかなか元に戻ることが難しいのです。

塩分メモリーの発見の研究

塩分の摂りすぎは高血圧に圧倒的に影響しているのですが、人研究のお話をします。赤ちゃんにミルクを与えます。片方には普通のものを、もう一方には塩分の多いものを与えます。半年ほどするとやはり普通のミルクを与えられた方が血圧は低い。これは想像できますね。興味深いのは15年後、再度計測したら、半年間普通のミルクを与えられていた方が血圧が低かったのです。これを「塩分メモリー」といいます。
動物でも再現ができたそうです。そこのとから一旦上がってしまった血圧は元に戻らないということがわかりました。
では、いつからちゃんとしたらいいのでしょうか?悪いメモリーをよくする方法もいつくか存在します。例えばNMNにもエピゲノムの作用があったり、ホルモンの中にエピゲノムの変化を元に戻すようなものも見つかってきているのです。

臓器のメモリーはどんなものが?

他に、代表的なもので、「治療のメモリー」があります。例えば、高血圧の治療は一生薬を飲まねばならないということが懸念されるのですが、早い段階できちんと治療しておくと、薬をやめてもその効果が残る。という結果が出ています。どういう形で治療されたかということを、ある程度体が覚えていくので、薬物治療も早めに短期間で受ければ、長期的に投薬することを抑えることができそうです。

エピゲノムの変化が起こりやすいゴールデンタイム

それは若い時です。若い時はエピゲノムの変化が起こりやすく戻りづらい傾向にあります。病気にならない体を維持するために、若い段階でうまく遺伝子を使うことに介入できるということが、その後の人生においても重要なのです。エピゲノムが変化するということは生活習慣と結びついています。生活習慣病は小さな遺伝子のダメージが重なったようなイメージで、その1つ1つを細かく治療するということでなく、遺伝子がうまく使われるように持っていく治療を今後は目指すべきと慶應大学の伊藤裕先生はおっしゃられています。
若気の至り・・・は取り戻せないこともありそうです。若いうちから気をつけたいですね。

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