PdM/UXリサーチャーのためのプロダクトディスカバリー勉強会を開催しました
こんにちは。野澤です。先日プライベートで参加しているDesign Research TokyoさんのコミュニティでPdM/UXリサーチャーの方向けにプロダクトディスカバリーについて学ぶDRT読書会「Continuous Discovery Habits」を開催しました!
開催から時間が立ってしまい恐縮ですが、本記事では簡単に本の内容とイベントの様子をお届けします。
今回の課題本と選書の理由
今回はTeresa Torresさんの書かれた「Continuous Discovery Habits: Discover Products that Create Customer Value and Business Value」を取り上げました。
本書は海外におけるプロダクトマネジメントの良書リストにProduct Discoveryというカテゴリでピックアップされていますが、まだ邦訳されておりません。 参照元はこちら(リストを日本語化してくださった方に感謝します)
またAmazon.comにて以下のランキングに入っています。(2022/8/21時点)
User Experience & Website Usability 4位
Industrial & Product Design 7位
Market Research Business 8位
現在Amazonでは1081個の評価がついていますが、★4.8と多くの方から高く評価されている本です。
選書の理由として、本が高く評価されていることもありますが、Product Discoveryというテーマで書かれているところにUXリサーチャーとして興味を持ちました。
本のテーマ
この本で学べることは、以下のように紹介されています。
カスタマーがほしいプロダクトをどうやって明らかにするか
時間とともにプロダクトが改善しているかをどうやって明らかにするか
チームがビジネス目標を達成しながらカスタマーに価値が届けていることをどうやって保証するか
また書籍のタイトルが「Continuous Discovery Habits」とあるように上記を継続的に行っていくためにどうすればよいかをテーマとしています。
読書会で学んだことのざっくりまとめ
読書会でこの本から学んだことはたくさんありますが、キーとなるのは以下の3つだと考えています。
Opportunity Solution Tree(OST)とは?
ざっくりなご説明で恐縮ですが、上で示した図のように、オポチュニティ(機会)をツリー構造で解決できる大きさまでブレイクダウンしていき、フォーカスすると決めたオポチュニティ(機会)に対して、考えられるソリューション(解決策)を幅出しする手法です。
具体例
例えば、エンターテイメントのライブストリーミングをするようなプロダクトの場合、ユーザーインタビューなどから「見たいものが見つからない」というところにオポチュニティ(機会)がありそうということがわかったとします。
この「見たいものが見つからない」というオポチュニティの大きさでは、プロダクトにどんな機能を作れば解決できるのか考えるのが難しいと感じられるのではないでしょうか。
このような場合には、以下のようにオポチュニティをもっと小さく砕きます。
好きなドラマの新エピソードが出ない
見たいドラマの探し方が分からない
好きなドラマが見られなくなった
大きな問題の解決を待たずに、解決できる小さな問題へブレイクダウンし、小さな問題の解決を続けて、継続的に価値を提供することが大切です。
書籍では上記のようなオポチュニティツリー自体の説明の他に、以下のような内容についても実践的な言及やそれぞれアンチパターンの紹介があり、UXリサーチャーとして大変勉強になりました。
アウトカムとはなにか?
アウトカムをどうやって決めるか?
インタビューの仕方やまとめ方の紹介
オポチュニティをどう評価するか
ブレストの仕方
仮説検証の仕方
効果測定
ステークホルダーの巻き込み方
読書会参加メンバーでまとめた要約スライド
スライド作成者
梅内祐太/佐々木朋美/法邑有美/田端啓希/田中香織/Kay/Saki Iizumi/右田 未智/Takashi Kawato/Hitomi Kitajima/野澤紘子
読書会の様子
読書会はオンライン開催で、各章を5分でまとめ、最後に章を読んで疑問に思ったことをみんなでディスカッションするスタイルで進めました。金曜の夜にお酒を飲みながら、3時間がっつりプロダクト開発について熱く語る楽しい時間となりました。
詳細な内容に興味のある方はぜひ書籍を読んでみていただけたらと思います!
DRT読書会とは?
デザインリサーチャー向けの読書会DRT読書会(英語名:DRTBookClub)は、UXリサーチ本を肴に飲みながらディスカッションというコンセプトで開催しています。1人ではなかなか読めないUXリサーチ・デザインリサーチに関する英語の本に読書会という締切を設けることで自分を追い込む&読んだ内容を他の人にわかるようにまとめ、ディスカッションするアウトプットを通じて内容への理解を深めることを目的としています。
今後の開催に興味のある方はぜひDesign Research TokyoのCompassにご参加ください!
これを機に過去のイベントレポートを、マガジンにまとめました!よければ、ご覧ください。