スイス、ECBが利下げ決定、12月日銀が動くとスイスと政策金利が並ぶが…
スイス、0.5%利下げ決定、政策金利は0.5%に
SNBスイス中央銀行が政策金利を大幅に引き下げました。コンセンサスは0.25%の利下げでしたが、一気に0.5%の利下げを決定。スイス中銀総裁はシュレーゲル氏。今回が就任初の会合です。
スイス、インフレ率低いんですね、日本よりずっと。
23年7月から2%を下回ったままです。スイスのインフレ目標は0-2%。インフレ率のモメンタムが低下傾向ですが、今回出された25年インフレ見通しは0.3%です。今回大幅利下げに踏み切りましたが、これで終わりではなさそうですね、シュレーゲル総裁はマイナス金利の可能性を否定していません。
これを受けてスイスフラン売りが加速しました。
これは15分足チャートです。
ECBは予想通り0.25%利下げ、ガイダンス修正でユーロ売り
同日12/12開催のECB理事会。予想通り0.25%の利下げを決定しました。
サプライズはありませんでした。よって、ユーロに方向感が明確に出るイベントにはならなかったですね。
下記チャートはユーロクロス15分足です。最初の矢印が金利発表、2つ目の矢印がラガルド総裁会見ですが、あまり大きな動きはありません。その後上限に乱高下しているのは年末、クリスマス休暇前のポジション調整的なものでしょうか。ユーロポンドだけは明確にユーロ買いになっていますね。これまでかなりユーロ売りポンド買いのトレンドが続いていましたから、材料出尽くしの買い戻しではないかと思われます。
スイスと日本の金利接近、日銀が追加利上げすれば同金利に並ぶ
日銀の利上げを巡っての観測報道、今日もロイターが昨日のブルームバーグの焼き直し記事をUPしていましたが、どうやら12月来週の会合での利上げはなさそうです。でも1月に流行るんでしょ、という見方もあったのですが、どうやら3月までなさそう、という観測も出てきました。
トランプ大統領就任と関税引き上げの影響を見極めたいのでは、という思惑が1月利上げもないという観測につながっているようですが、これはあくまで観測。まだ12月利上げ予想は44%ほど残されていることを考えると、12月利上げが見送られた場合の円安加速のリスクは残りますね。
いつ日本の追加利上げがあるかははっきりしませんが、他国と決定的に異なるのは、主要国では日本だけが利上げのサイクルにあるということ。
そして、日銀があと1回追加利上げすればスイスの政策金利と並びます。これが円キャリートレードの衰退とスイスフランキャリーの勃興の思惑を呼んでいるというわけね。スイスはマイナス金利の可能性を否定していないのです。日銀は現在のところ中立金利の下限と見られる水準の1%までの利上げを想定していることを示しています。
今日はイベント後でスイスが勢いよく売られたところですので、ポジションを取りませんでしたが、市場が落ち着いてきたら、またクリスマス休暇を通貨して流動性が戻ってきたらスイス売りを考えたいと思います。金利差から見ればドルスイスのロングでしょうか。ドル円が円高に行くと考えるならスイス円でも良誘うですが、これは今後の値動きを見ながら検証します。
米指標、インフレ警戒強まり長期金利上昇もドル円上値重く
今夜はドル金利、特に長期金利の上昇が加速しています。
今夜発表されたPPI、企業物価指数が上振れたためでしょうか。
ただ、新規失業保険申請件数は増加しており、22:30に下記の一連の数字が発表された直後は米金利は低下していました。時間の経過とともに金利は再上昇、長期金利上昇のトレンドは続いています。
企業物価指数、前月比も前年比も予想を上振れ、前月から上昇加速となっていますね。物価低下のモメンタムが崩れ、足元2ヶ月連続でPPI上昇となっています。
それでも12月のFOMCでの利下げ織り込みは98%。来週の利下げはあります。労働市場の弱さを見れば利下げは正当化されますが、利下げを続けるとインフレが再上昇するリスク、ということで来年の利下げ回数はこれまでの予想より減らされるだろう、ということもすでに市場は織り込んでいますね。
ドル円相場はドル金利上昇にも反応が鈍くなってきました。
米長期金利は上昇、日米金利差は拡大基調にありますが、ドル円は152.80円で上値を抑えられています。来週の日銀会合まで利上げ見送りを材料に買いが続くか、と見ていましたが弱いですね。ドル円150.41円ロングは今日、152.40円で手仕舞いました。強気が台頭してきたのでこの辺で足抜けしておこうと思います。ノーポジになりました。
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