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スイス、ECBが利下げ決定、12月日銀が動くとスイスと政策金利が並ぶが…

スイス、0.5%利下げ決定、政策金利は0.5%に

SNBスイス中央銀行が政策金利を大幅に引き下げました。コンセンサスは0.25%の利下げでしたが、一気に0.5%の利下げを決定。スイス中銀総裁はシュレーゲル氏。今回が就任初の会合です。

シュレーゲル総裁
「政策金利の引き下げは引き続きわれわれの主な手段」
「必要に応じて外国為替市場に介入する用意がある」
「スイス中銀はマイナス金利を好まないが、効果はある」
「スイス中銀は必要ならまたマイナス金利を使うだろう」
■2024年の4回の政策決定会合全てで利下げ
■25年のインフレ率見通しを0.3%と、従来予想の0.6%から下方修正
■来年電気料金や家賃の値下げでインフレ率はさらに低下する見通し

スイス、インフレ率低いんですね、日本よりずっと。
23年7月から2%を下回ったままです。スイスのインフレ目標は0-2%。インフレ率のモメンタムが低下傾向ですが、今回出された25年インフレ見通しは0.3%です。今回大幅利下げに踏み切りましたが、これで終わりではなさそうですね、シュレーゲル総裁はマイナス金利の可能性を否定していません。

スイスCPI推移(前年比)

これを受けてスイスフラン売りが加速しました。
これは15分足チャートです。

上段 ドル/スイス スイス/円
下段  ユーロ/スイス ポンド/スイス

ECBは予想通り0.25%利下げ、ガイダンス修正でユーロ売り

同日12/12開催のECB理事会。予想通り0.25%の利下げを決定しました。

【声明】
・「大部分の基調インフレ指標は、インフレ率が理事会が中期的な目標とする2%近辺で持続的に安定すると示唆している」とし、従来の「十分に制約的な政策」を維持するとの確約を削除。⇒追加利下げを示唆。
・「理事会は特定の金利の道筋を事前に確約しない」
■利下げは3会合連続で、今年4回目。今回の利下げは予想通り

サプライズはありませんでした。よって、ユーロに方向感が明確に出るイベントにはならなかったですね。
下記チャートはユーロクロス15分足です。最初の矢印が金利発表、2つ目の矢印がラガルド総裁会見ですが、あまり大きな動きはありません。その後上限に乱高下しているのは年末、クリスマス休暇前のポジション調整的なものでしょうか。ユーロポンドだけは明確にユーロ買いになっていますね。これまでかなりユーロ売りポンド買いのトレンドが続いていましたから、材料出尽くしの買い戻しではないかと思われます。

上段 ユーロ/ドル ユーロ/円
下段 ユーロ/オージー ユーロ/ポンド

スイスと日本の金利接近、日銀が追加利上げすれば同金利に並ぶ

日銀の利上げを巡っての観測報道、今日もロイターが昨日のブルームバーグの焼き直し記事をUPしていましたが、どうやら12月来週の会合での利上げはなさそうです。でも1月に流行るんでしょ、という見方もあったのですが、どうやら3月までなさそう、という観測も出てきました。

■1月の利上げが難しいとされる背景の一つに、日銀の金融政策決定会合の数日前に行われるトランプ次期米大統領の就任式がある。就任と同時に、世界経済に与える影響が大きい関税引き上げが発表されるとみられている。
■ブルームバーグが5-10日にエコノミスト52人を対象に実施した調査によると、日銀が現在0.25%程度の政策金利を引き上げる時期は来年1月との見方が52%と最も多く、今月18、19日の会合が44%と続く。年内の利上げ観測も依然くすぶっている。

トランプ大統領就任と関税引き上げの影響を見極めたいのでは、という思惑が1月利上げもないという観測につながっているようですが、これはあくまで観測。まだ12月利上げ予想は44%ほど残されていることを考えると、12月利上げが見送られた場合の円安加速のリスクは残りますね。

いつ日本の追加利上げがあるかははっきりしませんが、他国と決定的に異なるのは、主要国では日本だけが利上げのサイクルにあるということ。

主要国政策金利推移

そして、日銀があと1回追加利上げすればスイスの政策金利と並びます。これが円キャリートレードの衰退とスイスフランキャリーの勃興の思惑を呼んでいるというわけね。スイスはマイナス金利の可能性を否定していないのです。日銀は現在のところ中立金利の下限と見られる水準の1%までの利上げを想定していることを示しています。

今日はイベント後でスイスが勢いよく売られたところですので、ポジションを取りませんでしたが、市場が落ち着いてきたら、またクリスマス休暇を通貨して流動性が戻ってきたらスイス売りを考えたいと思います。金利差から見ればドルスイスのロングでしょうか。ドル円が円高に行くと考えるならスイス円でも良誘うですが、これは今後の値動きを見ながら検証します。

米指標、インフレ警戒強まり長期金利上昇もドル円上値重く

今夜はドル金利、特に長期金利の上昇が加速しています。

米国債利回り

今夜発表されたPPI、企業物価指数が上振れたためでしょうか。
ただ、新規失業保険申請件数は増加しており、22:30に下記の一連の数字が発表された直後は米金利は低下していました。時間の経過とともに金利は再上昇、長期金利上昇のトレンドは続いています。

企業物価指数、前月比も前年比も予想を上振れ、前月から上昇加速となっていますね。物価低下のモメンタムが崩れ、足元2ヶ月連続でPPI上昇となっています。

PPI推移(前年比)

それでも12月のFOMCでの利下げ織り込みは98%。来週の利下げはあります。労働市場の弱さを見れば利下げは正当化されますが、利下げを続けるとインフレが再上昇するリスク、ということで来年の利下げ回数はこれまでの予想より減らされるだろう、ということもすでに市場は織り込んでいますね。

ドル円相場はドル金利上昇にも反応が鈍くなってきました。
米長期金利は上昇、日米金利差は拡大基調にありますが、ドル円は152.80円で上値を抑えられています。来週の日銀会合まで利上げ見送りを材料に買いが続くか、と見ていましたが弱いですね。ドル円150.41円ロングは今日、152.40円で手仕舞いました。強気が台頭してきたのでこの辺で足抜けしておこうと思います。ノーポジになりました。

ドル円15分足と日米金利差(10年)

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