トランプ大統領就任控えドル円買い戻し~米指標あまりに強く
住宅着工、鉱工業生産など米指標好調、ドル買い戻しへ
週明けにトランプ大統領就任を控え、1/17(金)ドルショートの買い戻しのきっかけを作ったのが米経済指標。予想を上回る好結果でドル金利が反発しドル上昇となりました。
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・12月住宅着工件数 ~15.8%増、前月分も上方修正
結果 149.9万戸(予想132.7万戸、11月129.4万戸←128.89万戸)
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・12月鉱工業生産
結果 前月比+0.9%(予想:+0.3%、11月:▲0.1%)
・12月設備稼働率
結果 77.6%(前月比予想77% 11月76.8%)
グラフでみるとわかりやすいですが、どの数字も前月から大きく跳ねており、これが趨勢として続くようなら米国の利下げはもう必要ないだろうということなります。景気の減速を支えるための利下げです。景気が浮上、加熱するなら利下げは必要ありません。インフレを再燃させるリスクとなりますね。
指標結果を受けて米金利は反発。
この短期金利の反発を受けてドル円相場も反発上昇を強めました。
ドル円相場、17日(金)の東京時間には154円台へと突っ込んで円高となる局面もありましたが、NYクローズでは156.20円台までリバウンド。日足でみると、日銀の利上げ観測台頭でレンジ下限を下方ブレイクしたのですが、レンジブレイクでも下落トレンドの加速を阻んでいるのは米国のあまりに強い景気ということです。
日銀は今週の1月会合で利上げの公算、相次ぐメディアの観測報道
先週は1/16(木)に時事通信、Bloombergなどから日銀の利上げ観測報道が出てきたことで円高ドル安が加速していましたが、1/17(金)には日経新聞もイブニングスクープとして利上げ観測報道を行っています。
1/19(日)には再びBloomberg。
年明けからの氷見野副総裁、植田総裁ら発言で「1月会合で利上げを行うかどうか議論し判断したい」と1月会合での利上げを否定しなかったことから、市場では1月の利上げ織り込みが80%台へと急上昇していますが、これでもし利上げを見送る判断をするようなら市場は梯子を外されるといいますか、利上げ期待で円ロングした向きのポジション逆流には気をつけなければならない展開となりますが、ここまでメディアの観測報道が相次いでいることからも市場へ織り込ませたいのが本音でしょうから、利上げは実施されるのだろうと思います。
ただし、明日20日のトランプ就任で波乱がなければの条件は気になりますね。トランプ大統領就任の初日から100を超える大統領令を発令するとも報じられており、その中身によっては波乱が起きないとも言えないからです。
日銀の利上げが8割方織り込まれていても154円台までしか下がらなかったか、、、トランプ大統領就任時の波乱を避けようとするポジション調整もあろうかと思われますが、私も週末ポジションを買い戻しています。
ドル円156.10円ショート→155.67円買い戻し
ポンド円191.58円ショート→190.33円買い戻し
大統領就任直後に波乱がなければ再び円買いが出てくる可能性もありますが、それはその時に新たにポジションを作ることにします。一先ずリスクを避けることのほうが重要。
トランプ大統領就任、就任式は日本時間では1/21AM1:30~
明日1/20(月)のシカゴはマイナス6度にもなる予報で40年ぶりに就任式が室内で行われるとか。1985年のレーガン大統領以来のことだそうです。
就任式は現地時間1/2011:30~ということですので、日本時間では夜ですね。日時は日本時間では1/21AM1:30~ということになります。
就任宣誓は現地時間正午、日本時間でAM2:00~
就任演説が現地時間12:20~日本時間AM2:20~とされています。
ホワイトハウスの公式サイトで中継映像が見られる模様。
US TODAYのYouTubeでも配信予定のようです。https://www.youtube.com/watch?v=74fDmAt4Mp8
ただ、日本時間では夜中ですからねぇ、、、。
そして、この日米国市場はマーティン・ルーサー・キング牧師生誕祭祝日で休場となります。
明日月曜日~火曜日と、東京マーケットはリスクを積極的に取りに行く向きは少ないでしょうから小動きとなるでしょうか。日銀の利上げも控えて日本株上昇は考えにくいと思いますが、何が起きるかわかりませんのでポジションは軽くしてあります。
過去、大統領就任当日はネガティブとなることが多い米株市場
これは新大統領就任当日のS&P500のパフォーマンスです。
S&P 500の平均リターンは▲0.92%、中央値は▲0.40%でやや市場は就任当日にネガティブな反応を示す傾向があります。
就任式で最も大きな下落となったのは2009年のオバマ大統領、▲5.28%の下落を記録しましたが、リーマンショックなど米国は金融危機の真っ只中にありましたのでこれは仕方がないでしょうか。
1933年のFDRや2001年のブッシュ大統領の就任式土曜日だったために株取引はありませんでした。そして今回のトランプ大統領就任は、キング牧師生誕祭の祝日で休場となるため、トランプ大統領就任を受けた米国市場の反応を受けて日本株市場が取引できるのは1/22(水)からということになります。今週は月曜、火曜と東京市場は動きにくいと思われます。
NOTE
IMF世界経済見通し米国・中国引き上げ、欧州下方修正、日本は
今週の主な予定
■1/20(月)
●日本 11月機械受注(8:50)
●日本11月第三次産業活動指数(13:30)
●米大統領就任式
●世界経済フォーラム(ダボス会議)(~1/24)
●米国休場:米(キング牧師生誕日)
■1/21(火)
●独1月ZEW景況感指数(19:00)
●英11月週平均賃金・雇用統計(16:00)
●カナダ消費者物価指数(22:30)
■1/22(水)
●NZ消費者物価指数(第4四半期)(6:45)
●ラガルトECB総裁発言(24:05)
■1/23(木)
●日銀金融政策決定会合(~1/24)
●12月貿易統計(8:50)
●12月首都圏新規マンション発売(14:00)
●米新規失業保険申請件数
■1/24(金)
●12月全国消費者物価指数(CPI)(8:30)
●日銀政策発表、植田日銀総裁記者会見
●日銀、経済・物価情勢の展望を公表
●日本12月全国消費者物価指数(CPI)(8:30)
●ドイツ1月製造業PMI・非製造業PMI速報値(17:30)
●ユーロ圏1月製造業PMI・非製造業PMI速報値(18:00)
●英1月製造業PMI・非製造業PMI速報値(18:30)
●米製造業1月PMI・非製造業PMI速報値(23:45)
●米1月ミシガン大学消費者信頼感指数(24:00)
●米12月中古住宅販売件数(24:00)