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中銀ウィーク世界の金利はどう動く?
米雇用統計、注目は失業率の上昇
米11月雇用統計。NFP:非農業部門雇用者数が予想より良い数字だったことで、瞬間金利が跳ね、ドル円相場もやや上昇しましたが、失業率の悪化で12月利下げが正当化されるとの思惑から金利が急低下、ドル円も急速に売り込まれました。
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【雇用統計(11月)】
■非農業部門雇用者数(NFP)+22.7万人
(予想+20.0万人 前回+3.6万人(1.2万人から修正)
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■失業率 4.2%
(予想 4.2% 前回 4.1%)
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■平均時給:前月比 +0.4%
(予想+0.3% 前回+0.4%)
■平均時給:前年比 +4.0%
(予想+3.9% 前回+4.0%)
しかし、ドル円相場下落は続かず。下落幅に対して半値ほど反発して揉み合いに入っています。結局日足でみるとレンジ内で小さく動いているにすぎません。
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確かに失業率が悪化したことで、12月利下げ織り込みは86%まで上昇しました。が、平均時給が前年比、前月比ともにやや強含んだことがドル売りを抑制したようです。
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一方、最近のデータでは、インフレ率が米金融当局の2%目標に向かって低下する動きが停滞している可能性が示唆されており、来週発表される消費者物価指数(CPI)の重要性が高まっている。
ブルームバーグによるエコノミスト調査によると、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数の伸びは11月も引き続き頑強だったと予想されている。
今週発表の11月CPIを見極めたい思惑か
今週は11日(水)に米消費者物価指数(CPI)が発表されるため、それを見極めたい、ということのようです。それを受けて17-18日の12月FOMCでの12月利下げと来年の利下げ回数見通しなどが確認できるドットチャートが今年最後の金融市場のビックイベントでしょうか。雇用統計の数字は結局大きなトレンドを発生させるほどのサプライズの数字ではなかったということです。
11日発表のCPI予想ですが、前年比がやや強含む予想となっています。
・11月消費者物価指数(CPI)(前月比)前回 +0.2% 予想+0.2%
・11月消費者物価指数(CPI)(前年比) 前回+2.6% 予想+2.7%
・11月CPIコア指数 (前月比) 前回+0.3% 予想+0.3%
・11月CPIコア指数 (前年比) 前回+3.3% 予想+3.3%
雇用統計発表前日のドル円安値、149.65円を割り込んできたらドル円ショート狙いとしていましたが、149.62円で売ってしまいました。しかし、その後149.36円まで下落するもNYクローズは149.94円。踏まれています(T_T)
雇用統計後の戻り高値が150.12円でしたので、週明け、このレベルを超えて上昇するようなら一度撤退します。
今週から中銀ウィークスタート
天王山は来週の17-18日のFOMC、18-19日の日銀ですが、今週から主要国の政策金利決定会合が相次ぎます。
【10日(火)12:30 RBA:オーストラリア準備銀行】
・再び政策金利を4.35%で据え置く公算。
・豪州は今回のフェーズで利下げを実施していない。
・昨年11月に4.35%まで引き上げた後、金利が据えおかれている。
【11日(水)23:45 BOC:カナダ中央銀行】
・0.5%追加利下げ予想。現在の政策金利は4.75%⇒4.25%となる公算。
・6月利下げ開始、前回10月23日まで4会合連続の利下げ実施。
【12日(木)17:30 SNB:スイス国立銀行】
・0.5%利下げ予想。現在の政策金利は1.0%⇒0.5%になる公算。
・3月利下げ開始、以降6月、9月と3回の利下げ実施。
【12日(木)22:15 ECB:欧州中央銀行】
・0.25%追加利下げ予想。現在の政策金利3.4%⇒3.15%となる公算。
・6月利下げを開始、7月据え置きも、9月、10月と連続利下げ中。
【18日(木)22:15 FRB:米連邦準備制度理事会】
・0.25%追加利下げ予想。現在の政策金利4.75%⇒4.5%となる公算。
・9月利下げ開始、一気に0.5%の利下げ。11月0.25%と2回の利下げ実施。
【19日(金)お昼ごろ BOJ:日本銀行】
・0.25%追加利上げがあるか、意見が分かれるところ。
・12月利上げ見送りでも1月利上げがコンセンサス
・3月にマイナス金利解除、7月に追加利上げで現在の政策金利は0.25%
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通貨強弱、ドルは横ばい、オセアニア下落が目立つ
12月はユーロ上昇、ドル下落の季節性がある、と書いて来ましたが、現在までのところ、その傾向はあまり強くありませんね。ドル需要が強いのか、ドルがなかなか崩れません。ユーロはやや上昇の機運にありますが、週末金曜日は雇用統計直後にユーロ高加速となるも、ロンドンフィキシングに向けてユーロが売られ陰線引けとなりました。
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フィキシングに向けてユーロ売りが加速したとなると12月ユーロ高アノマリー、今年は不発に終わりそうな気がしてきますね。。。ロンドンフィキシングとは、対顧客向けの為替レートが決定される時間です。輸出企業の決済資金や銀行・投資信託やファンドによる大口の注文など多くの取引がこの時間に集中します。つまり実需の動向が反映される傾向が強い時間なわけで、その時間に向けてユーロ売りドル買いが優勢というのは、今年は実需のユーロ買い需要が弱いということ なのでは、、、という気がしないでもないのですが、、、1.0517ドルのユーロドルロングは、金曜日の安値である1.0541ドルを下回るようなら仕切ります。利益のあるうちに手仕舞います。
NZドル円90.35円ショート継続。
ユーロドル1.05193ロング継続。
今週の主な予定
■12/9(月)
●7-9月期四半期GDP改定値(8:50)前0.2% 予0.2%
●11月景気ウォッチャー調査(14:00)前47.5 予47.4
●中国11月生産者物価指数(PPI)(10:30)前年比 前▼2.9% 予▼2.8%
●中国11月消費者物価指数(CPI)(10:30)前年比 前0.3% 予0.5%
■12/10(火)
●11月マネーストック(8:50)
●RBA豪州金融政策会合(12:30)
●中国11月貿易収支
■12/11(水)
●10-12月期四半期法人企業景気予測調査(8:50)前5.1
●11月国内企業物価指数(8:50)前0.2% 予0.2%(前月比)
●米11月消費者物価指数(CPI)(22:30)上記
●BOC:カナダ中央銀行金融政策会合(23:45)
●米11月財政収支(12/12 4:00)前▼2575億ドル
■12/12(木)
●SNB:スイス国立銀行金融政策会合(17:30)
●ECB:欧州中央銀行金融政策会合(22:15)
●米11月生産者物価指数(PPI)(22:30)前0.2% 予0.3%(前月比)
前2.4% 予2.6%(前年比)
PPIコア 前0.0% 予0.2%(前月比)
前3.1% 予3.3%(前年比)
■12/13(金)
●12月日銀短観(8:50)
●メジャーSQ
●米11月輸出物価指数(22:30)
●米11月輸入物価指数(22:30)