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リスク選好相場が戻ってきた?ドル金利反発基調もドル安、ECB利下げでユーロ反発

NVIDIA大幅反発で半導体持ち直すか?景気後退懸念と綱引き

昨晩9/11(水)の米国株市況は景気後退懸念もあり大幅安でスタートするもハイテク株主導で大幅に切り返し、米主要株価指数はすべてプラス圏で引けました。11日は米8月コアCPIが予想より強く、9月FOMCでの0.5%利下げ期待が後退、0.25%利下げがコンセンサスとなる流れの中で、株が猛烈に巻き返す理由が見当たらないと不思議に思っていましたが、どうやらNVIDIAの反発上昇が広く波及したようです。

米サンフランシスコで開催されたゴールドマン・サックス・グループのテクノロジー会議で、エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは、需要の高まる同社製品の奪い合いで一部顧客が不満を募らせ緊張が高まっているとの認識を示した。熱狂的な生成AI(人工知能)向け投資への期待感から、エヌビディア株は前日比8%高と急伸した。


決算(黄色⇩)で崩れかけていたNVIDIA株が猛烈に反発上昇していることが米国株、日本株市場のテック株主導でセンチメントを改善させたようです。

NVIDIA日足

SOX指数のH&S完成での大幅下落リスクも足元では遠のいた印象です。

SOX指数 200SMAの上に顔を出す

TV討論会後、トランプ銘柄売り、ハリス銘柄買いの反応

また、個別銘柄の反応としては明確にハリスに軍配。

再生可能エネルギー銘柄、太陽光発電やEV関連などが上昇、この一覧にはありませんが化石燃料エネルギーセクターが売られました。トランプ銘柄が下がったというわけです。

TV討論会の結果が大統領選挙に直接影響するものではありませんが(2016年のトランプVSヒラリーでは直前まで世論調査は圧倒的にヒラリー優勢だった)どちらが大統領になるかで選択される銘柄が異なる点には注意が必要ですね。

田村日銀審議委員のタカ派発言にもドル円下値固く推移

今日は日経平均が1213.50円上昇、今年3番目の上げ幅を示現。2番底模索の警戒は後退し、リスク選好ムードが市場に広がりました。リスクオンならドル円は上がって良いはず、、、ですが、円安進行を抑える発言がまたも日銀から。

田村直樹審議委員が岡山市で講演、今後、物価の上昇が想定を上回るリスクがあるとしたうえで、物価の安定に向けて政策金利を少なくとも1%程度まで段階的に引き上げる必要があるという考えを示しました。

講演要旨はこちらから全文が確認できます。

https://www.boj.or.jp/about/press/koen_2024/data/ko240912a1.pdf

■中立金利について、私は、最低でも1%程度だろうとみており、した がって2026年度までの見通し期間の後半には少なくとも1%程度まで短期金利を引き上げておくことが、物価上振れリスクを抑え、物価安定の目標を持 続的・安定的に達成する上で、必要だと考えています。

■市場が予想する短期金利の引き上げペースは緩やかです。(中略)このペースの短期金利の引き上げでは、見通し期間の 後半においても短期金利は中立金利に届かず、懸念している物価の上振れリ スクを更に高めてしまう、あるいは、後になって急ピッチの利上げを余儀なくされる可能性も否定はできません。

2026年までに1%程度までと明確に利上げ目標を語っています。今市場が予想しているしている利上げペースでは物価の上振れリスクが高いため、想定される中立金利下限の1%程度までの引き上げが必要と、これも実は7月日銀で利上げが決定された時にはでていた話です。
⇩7月日銀会合の主な意見https://www.boj.or.jp/mopo/mpmsche_minu/opinion_2024/opi240731.pdf

というわけで田村審議委員の講演も新味はないのですが、しかし7月日銀会合を受けてあれだけマーケットが混乱した経緯があってもなお、同じメッセージを発信し続けているということは、追加利上げの意思は強いと考えられ、年内12月、早ければ10月の追加利上げを予想するエコノミストは少なくありません。

しかし、これだけのタカ派コメントが飛び出したものの今日のドル円相場、下値もそこそこ固かった印象です。昨日の中川審議委員の講演のほうがマーケットの反応が大きかったですね。実は中川さんの講演は全体をよく吟味すると「なお、政策金利の変更後も、実質金利は大幅なマイナスの水準に止まり、緩和的な金融環境が維持されることから、引き続きわが国の経済活動をしっかりとサポートしていくと考えています。」とも述べており、それ程タカ派ということもなかったのですが、ヘッドラインに大きく反応し140円台への円高をもたらしました。しかし、今日はそこまで下がることはなかった。ドル円5分足です⇩

ドル円5分足

株価が大きく上昇していたことや、ドル金利が上昇していたことが支えとなったと見られます。ピンクのラインは日米金利差(2年)ドル金利が大きく下がらなければ円高にはなりにくいとも言えます。

米PPIと新規失業保険申請件数でドル金利上昇

・PPIは前月比0.2%上昇、予想0.1%上昇-7月は横ばいに下方修正
・PCE価格指数に反映される項目は総じて抑制された水準
・前年同月比では1.7%上昇(2024年2月以来の低水準)
・7月は2.1%上昇(速報値は2.2%上昇)に下方修正

どちらもそれ程強い内容ではありません、ほぼ予想通りの結果でしたが、予想より悪い数字ではなかった、ということが大幅利下げ観測を更に後退させたことで、前のめりに低下していた米金利の反発のフェーズに入っているものと考えています。FOMCに向けた修正の動きですね。

米国債利回り

しかし、ドル円は上値も重いです・・・。今日はECB次回を受けてユーロドルが上昇したこともあり、ドル金利上昇でも相対的にはドル安基調が強いようです。これは5月以降の通貨インデックス比較。今日はドルが弱い。

通貨インデックス比較

ECB理事会、0.25%利下げ、今後の道筋は示さず

■中銀預金金利は0.25ポイント引き下げ、3.50%にー6月に続き2度目
■2024年のGDP見通しは0.8%増、前回予想の0.9%増から下方修正
■2024、25、26年のGDP見通し引き下げ
■今年のGDP見通し0.8%増と、前回予想の0.9%増から下方修正
■インフレ見通しはほぼ据え置き

【ラガルド総裁】
「われわれはデータに依存する姿勢を崩さない。」
「利下げの道筋は、順序についても規模についても、事前に決定されるものではない」
■今後の金利について特定の道筋にコミットすることはできないとあらためて表明した。

■ 短期金融市場はECBの利下げ見通しをやや拡大させ、年内の追加利下げ幅を36bpと織り込んだ。これは0.25ポイントの利下げがもう一度あることを完全に織り込んでいるが、それが2回ある確率は50%未満だと予想されていることを意味する。
■ゴールドマン・サックス・グループは、中銀預金金利が2%に達する来年7月まで、今年12月から毎回の会合で利下げが決定されるとみている。

これはユーロドル日足、下落基調にありましたがECB理事会後、下げ止まって反発基調にあります。

ユーロドル日足

利下げは予想されていたことですので、材料出尽くしという側面が強いものと思われます。今後についてはあくまでデーター次第として道筋を示さず、ヒントがない。しかし、ユーロ圏の8月のサービス価格上昇率は4.2%に加速、パリ五輪の押し上げがあったためとみられるとのことですが、まだインフレ脱却の勝利宣言を行うにはまだ至らないとみる政策委員も少なくないということで、景気見通しは下方修正もインフレ見通しは下方修正されなかったことが「思ったよりもハト派的ではない」という見方につながったという指摘も。

1.1081ドルのユーロドルショートは1.1048ドルで買い戻しました。反発は一時的だろうと思って眺めていたのですが、どうも反発の勢いが強いので利益があるうちに買い戻すことに。

142.12円でロング 141.50割れにストップがありますが、まだついていません。今日の安値141.90円割れにストップを引き上げて様子をみることに。やはりドル円は円高のトレンドが強いですねぇ。反発できません。

日本のFX個人投資家は日銀の追加利上げを想定していない?

日本のFX投資家は追加利上げはないと考えているとの記事。10日火曜日の日経新聞記事です。

■外国為替証拠金取引(FX)投資家の間で、日銀の追加利上げに関する織り込みがあまり進まない状態が続いている。金利引き上げは7月の決定で打ち止めと見ている人が3割程度いるという調査も。

■FX業者4社(GMOクリック証券、外為どっとコム、セントラル短資FX、マネーパートナーズ)のポジションデータ(毎週水曜日時点)では、7月後半にドル円ポジションに占めるドル買い・円売りの比率が一時65%を超えた。7月前半に5割を下回っていた水準からの急上昇は、早期の日銀利上げがないことを想定した動きと解釈できる。

ん~私は利上げのリスクはある、と思っているのですがそれでもFOMCまでは大幅利下げ思惑の後退によるドル金利上昇で一定のドル円上昇がある、と見てドル円をロングしているわけです、、、が、ポジションだけ見れば日本のFX投資家と同じ円キャリー再開ポジション、大衆玉と一緒ということになります。海外投資家は円キャリーを再開させていませんし、日本株買い時に行ったドルロングのヘッジポジションも解消の方向。日本の個人のドル買いが膨らめば膨らむほど、想定外の利上げがあれば投げが出て円高がさらに進むリスクになりかねないという記事。しかし、ドル円日本の個人が買っても、新NISAの買いやデジタル収支にみるドル買いの需給があっても上がらないですね、足元は相当に上値が重い印象です。。。

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