クルマ雑感 #02 大きめのクルマ編
#01 ちょっと古いクルマ編に続き、今回は大きめのクルマ編。と言っても、やはりちょっと古いクルマが並びます。
やっぱり、少し古いクルマが好き
そもそも小ぶりなクルマが好きなもので、大きいサイズのクルマにはあまり興味がないところもあるんだけど、そんな中でも思い入れがあったりデザインが好みだったりするクルマをいくつかピックアップしてみた。
#01のラインナップと比べると購入の現実味が少し低いというか、「買う買わないはとりあえず置いておいて、大きめサイズの中で好きなクルマたち」という感じの位置づけである。
Range Rover
日本では「クラシック・レンジ」と呼ばれ、根強いファンも多い初代レンジ・ローバー。ソリッドな外観は一見無骨に見えながら、なんとも言えないオーラというか、余裕みたいなものを感じる。このサイズ感のクルマとしては他に類を見ないタイプの魅力があると思う。
1970年から90年代半ばまで生産されていたこの初代モデルは「砂漠のロールス・ロイス」と謳われ、パリ-ダカール・ラリー優勝などの実績を重ねる一方で、英国王室など世界中のセレブに愛用されたラグジュアリー・カーでもある。
現在一般に流通している多くは恐らく90年代に生産された最後期型で、実際に街を走っている姿もちらほら見かける。ここに挙げた3台の中で言えば「もし買うならこれ」という選択肢だけど、初期費用・維持費ともに値が張るという意味ではなかなかハードルが高いのも事実だ。
Jeep Cherokee XJ
1990年代半ば頃に日本でもよく見かけたジープ・チェロキー。XJと呼ばれるこの時代のモデルは当時の円高の影響もあってグレードによっては200万円台で購入できたみたいで、人気が高かった分、今流通している中古車もそれなりに選択肢があるんじゃないだろうか。
実は仲の良かった友人が当時所有していて、僕もよく一緒に乗って遊んでいたので個人的な思い入れもある。
友人は「乗るたびに電気系統がどこかしらトラブってる」と愚痴をこぼしていた。そんな愚痴をしょっちゅう聞いていたせいで僕は「アメ車は故障するもの」と確信していたし、まぁきっとその通りだったんだろうと思う。
日本で人気があった理由としてもうひとつ考えられるのは、(特に日本人にとって)絶妙なサイズ感だったんじゃないだろうか。「アメ車の四駆SUV」というだけですでにマッチョでビッグサイズな印象があるが、チェロキーXJはこのカテゴリーとしてはかなりコンパクトだったはずである。僕の好みとしても、大きすぎないというのは重要なポイントだ。
スタイリングの好みで言えば初期〜中期頃のモデルはやはりなんとなく雰囲気が良いと思うが、1990年代半ば頃までのモデルは性能や装備の面でいささか不安がある。一方、最後期のモデルはフロントグリルがボディと同色に塗装されるようになり、これはあまり僕の好みではない。
もし今、実際に買うとしたら、希望の年式を探すのにまず苦労することになるだろう。
Ford Bronco
実を言うと、僕も数年前までよく知らなかったクルマである。なぜ興味を持ったかと言うと、たまたま自宅近くの駐車場で何度か見かけたからだ。そのクルマはアイボリーとブルーのツートーン・カラーで、明らかにその辺を走っている普通のクルマとは一線を画したスタイルを持っていた(写真とは別のカラーリング)。
そんなことがきっかけで、実用性とか現実味とか一切を脇に置いて「なんか洒落たクルマだな」と思ってしまったのだ。自分で買うことはまずないだろうけど、眺めていて楽しいクルマである。
ちなみに、ここに挙げたブロンコは「アーリー・ブロンコ」と呼ばれる初代モデルではなく、1978年に登場した2代目(見出し画像のクルマ|Photo : Ford)や1980年代にモデルチェンジした3代目〜4代目あたりのモデルを指している。
初代も格好いいけどね、今はもう普通のルートでは入手できないんじゃないだろうか。いや、2代目3代目も難しいか。そもそも日本にどれくらいの数が残っているんだろう?
現実的な選択肢として……?
ここまで書いておいてちゃぶ台をひっくり返すようだが、ここに挙げたクルマを実際に購入する可能性は極めて低い。価格とか弾数とか性能とか快適性とかそういうことではなく、サイズの問題である。
そういう意味では、前編 #01で最も現実的な選択肢のひとつに挙げたVolvo 240 Estateもギリギリかもしれないけど……この話については次回 #03 今のクルマ編で詳述したい。
あとがき
上に敢えてラインナップしなかった一台に、Mercedes-Benz G-Classがある。「Geländewagen」と呼んだ方が耳馴染みが良いかもしれない。現行モデルでこそ角が取れた印象だが、思いっきり無骨なのにラグジュアリーな存在感はいかにもメルセデスらしい雰囲気だ。
このクルマが素晴らしいのは、初代から現行モデルまで、設計やデザインに一貫性がありブレていないところだと思う。1979年の登場以来、2018年の全面的なモデルチェンジまで40年近くもの間、基本設計を変更することはなかったらしい。実際、このクルマは街でよく見かけるけど、どの年代のモデルを見ても印象が変わらない。
製品の本質に自信を持っていて、ブラッシュアップは重ねるけど変化を求める必要がない。モノづくりとかブランディングの観点から見ても、こういう姿勢ってすごく大切なことだと思うんだよなぁ。他に最近の例で言うと(カメラだけど)、RICOH GRシリーズとかね。
ここまで言っておいて、なぜゲレンデヴァーゲンを「あとがき」に回したのか? それはメルセデス・ベンツという会社(ブランド)の印象があまり良くないというか、好きじゃないからだ。あの「スリーポインテッド・スター」のエンブレムを見るとなんとなくソワソワしてしまう(苦笑)。
→ #01 ちょっと古いクルマ編
→ #03 今のクルマ編(予定)