”わかりあえなさ”とどう向き合うか?/『他者と働く』を読んで
自分がやるべきだと確信していることが、他の人に理解してもらえなかったり、協力してもらえなかったり…
他者とわかりあえないという状況は、組織で働く誰しもが経験するものではないでしょうか。
組織で働く以上、他者との協働は避けて通れません。
人がひとりでできることには限りがあり、協働することによって、ひとりでは生み出せない質と量の成果を生み出すことこそ、組織の強みだと言えます。
では他者との「わかりあえなさ」にどう向き合っていけば、組織の強みを最大限に享受できるのでしょうか。
宇田川元一さん(note / Twitter)の著書『他者と働く』を読んで得た沢山の気付きの中から、個人的に「これ、めちゃくちゃ大事!!」と感じたものを3つ、アウトプットとしてnoteにまとめてみました。
(注)本の要約というよりも、忘れっぽい自分に対して「これだけは覚えておこうな!!」という気持ちで書いたものになりますので、その点はご了承ください。
1️⃣ それぞれの立場におけるナラティヴ
なぜ、他者とわかりあえないのか??
そこには「ナラティヴ」が関係しているとのこと。
メンバーはメンバーのナラティヴ、マネージャーはマネージャーのナラティヴ、ほかにも営業のナラティヴやエンジニアのナラティヴなど、立場や職種によってそれぞれにナラティヴがあります。
✅ ナラティヴにおける正しさとは?
たとえば「こんなに大事な施策なのになんで理解してもらえないのか??」と思うことがあったとして、それはあくまでもこちら側のナラティヴに立った意見であり、相手側のナラティヴからすると「なんでこんなことをやるんだろう??絶対やめたほうがいいのに…」と思われているかもしれません。
どちらかが正しいという話ではなく、それぞれの立場によって事情や状況が異なるため、ナラティヴも違ってあたりまえ。
つまり、わかりあえないこともあたりまえだということです。
なるほど…!!
なぜ「わかりあえない」か分かったので、次はその「わかりあえなさ」を乗り越える方法について。
その方法は「対話」であり、対話によってナラティヴの溝に橋を架けていくことができるようです…!!
2️⃣ ナラティヴの溝に橋を架ける
溝に橋を架けるには、4つのプロセスがあるとのこと。
✅ 自分のナラティヴを脇に置いてみる
それぞれの細かい説明については、ぜひ本書を読んでいただきたいのですが、個人的に最も重要だと感じたプロセスは「1.準備」です。
準備とは「一旦、自分のナラティヴを脇に置いてみる」こと。
これをやるだけでも、自分のナラティヴに囚われているとなかなか気付けない「相手のナラティヴとの差分」が見えてきます。
逆に、これをやらないと何も始まらないです。
相手のナラティヴとの差分に気付かないまま「相手が理解してくれないのはこちらの説明不足だから、もっとわかりやすい説明資料を作ろう!」とか、「相手が理解してくれないのは相手が自己中心的だからだ!」なんて思ってしまうと、一生わかりあえないままになってしまいます。
(前者は自責なのでまだマシですが、後者は他責なので何も生まれない)
仮に納得できないことがあったり、腹が立つようなことがあったとしても、まずは自分のナラティヴを脇に置いてみる。
もしかしたら自分と違う見え方がしてるのかも??
何か、相手なりの事情があるのかも??
脇に置くことで、想像できるようになります。
ナラティヴを脇に置くことこそが、「わかりあえなさ」解消の第一歩になりそうです。
3️⃣ 自らの偏りを認める
自分のナラティブを脇に置いてみる。
これ、間違いなく「言うは易く行うは難し」なヤツです…
そこで、自らの偏りを認めるという心構えが重要だと感じました。
✅ 誰しもが偏った存在
なるほど!!
いくら自分では中立だと思っていても、中立などというものは存在しなくて、自分自身も偏った存在だということです。
このマインドセットがあると、
「自分の偏ったナラティヴに囚われていると見えないものがありそうだから、一旦脇に置いてみようかしら」
と思えるので、ナラティヴを脇に置くハードルがグッと下がりそうです。
改めてポイントをまとめます。
人それぞれにナラティヴがあるので、わかりあえなくて当たり前
ナラティヴの溝を埋めるには、まず自分のナラティヴを脇に置いてみる
そのためには「自分自身も偏っている」と認めることが必要
このポイントを頭に置いておくと「わかりあえなさ」との向き合い方もかなり変りそうです!
このnoteを読んで(くださりありがとうございます!!)少しでも興味を持たれた方は、ぜひ『他者と働く』を手に取ってみてください!
ちなみに、NewsPicksパブリッシングさんのnoteにて『他者と働く』を一部特別公開いただいておりますので、リンクを貼らせていただきます!
(2022年1月時点)