「人を雇う」ということの膨大なストレス
人を雇って鬱になるビジネスオーナーはけっこういると思う。特に士業的な性質を持つ人はすごくストレスになると思う。士業とか、自分で技能を持っている場合、そのスキルとか閾値に従業員が達しない場合、かなりストレスになる。
なんでこんなことができないんだ、となる。
ただ、従業員からするとできるわけない。
モチベーションに関して言えば、ビジネスオーナーと従業員は全く異なる。
こういうストレスによってオーナーの良さや、会社自体の運営に影響を及ぼすことも普通にあると思う。
中小企業の社長さんたちに何人もあって、インタビューしたことがあるが、大体、父親や母親的な立ち位置の人が多いんだなこれが。ほとんどの日本的な企業はそうなんだと思う。日本において中小企業・零細企業は9割以上であり、たいていは、父性・母性を発揮してマネジメントを行っている傾向がある。
それはとても重要だと思う。
つまり、従業員は、父親の役割を果たさない。子供である。
イメージとしては、部長や役員などは、長兄や長女にあたり、たいていはピラミッド型に、小さい子供たちが続いている。だから、年食ってから新たな組織に入り、小さい子供の役割からやらなければいけないベテランていうのは、内外から「グロテスク」であり、「不自然」な存在として認知される。これは結構恐ろしいんである。
父親にとって、子供はストレスである。
子供にとって父親はストレスである。
主従関係を演じ、それぞれがコミットしているのだから当然である。
また、資本やビジネス上の売上がうまくいってないと、「扶養する」、フィードするというストレスがある。これは根本的に「他人」だからだ。
おれには子供がいるが、子供だって、本当に親に金がなければ、育てるだけで相当なストレスだ。それなのに他人をフィードするってのは半端な覚悟じゃできない。普通はそんなめんどくさいことしないんだよな。そんな面倒なことまでして、代表者になろうとしない。代表者は、利益と不利益あるいは、頑張っても何も得られないという可能性を天秤にかけて日々を歩んでいるのだ。