三島由紀夫初体験について
三島由紀夫没50周年の日は残業にかまけて過ごしていた。実は昨年高校1年時のクラス会に参加した時、僕の三島由紀夫初体験は同級生がノートに書き写した「檄」だったことを思い出した。
ほぼ40年ぶりに集まったメンバーと話してるうちにその同級生の思い出話になり、メンバーの一人の「お前あいつといつも難しいこと話してたね」という一言から、「ねえ、このさ、生命尊重、自由、民主主義より上の日本て、どんなのだと思う?」と訊いてくるあどけない彼の笑顔やその時の場面が突然ありありとよみがえってきて、不思議な体験だった。
その同級生のおすすめ本がオフストロフスキー「鋼鉄はいかに鍛えられたか」と大藪春彦の「野獣死すべし」で、今振り返っても当時としてもかなりユニークな高校生だった。高校卒業後の引越し先が不明で連絡が取れないのが本当に残念だ。
同級生が書写したその「檄」のおかげで、死の崇拝に取り憑かれた文学者への警戒心が働いて、三島作品はその後の高校時に金閣寺、午後の曳航、憂国、春の海を読んでそれ止まり。
でもここ数年、海外文学の読書から近現代史に関心が涌き、三島をはじめ当時の日本人作家が当時考えていたことにも興味を持つようになった。試しに図書館で借りた三島由紀夫全集の対談集、大岡昇平や安部工房など相手も豪華で読み応えあった。
本業が忙しいのと、他に読みたい本も多くてなかなか三島作品に手が回らないが、この作家がもし生きてたらネトウヨなど今の社会状況をどう思うかはかなり興味がある。まあ、いろいろガッカリするだろうね。
読んでいただきありがとうございます。ここでは超短編小説、エッセイ、読書感想などいろいろ書いていく予定です。よろしくお願いします。