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建築・街のデザイン

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建築のデザインや街づくりに関して個人的に思ったことや記事を収集してまとめていきます。
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#ゾウ

不動産会社設計部というところ

(このnoteは一度3年前に書いてて、大きく更新をしています。) 僕は、都内の不動産会社の設計部に勤務している建築士です。30人くらいのちいさな事務所で、仕事がやりやすい規模なので風通しがよい。 そんななかで、不動産会社の設計部とは、その学びとは? をふりかえって考えてみました。仕事に特化した自己(自社)紹介みたいなものですので、気軽に読んでください。 1.一般的な不動産会社での設計業務との比較 多くのデベロッパーの設計部がやってることって、自社で仕入れた土地にどれだけ建

自分時間、他人時間

設計で大切なことは何ですか? 斬新で美しいデザイン? 僕もそんな建築設計を目指しています。が、一番大事にしていることではありません。 それは「建築主と一緒に決めたスケジュールを守る」ことです。意外ですか? 建築を取り巻く条件の中には、工事費などのお金、建築主の要望、敷地の特性などいろいろありますが、とりわけスケジュールは大事だと考えています。 建築主と話し合って決めたスケジュールは、できるだけ守るようにしてあげたいと思っています。工事費も大事ですが、スケジュールというの

コストをデザインすること

建築コストをデザインすることはとても重要です。どこもかしこも最上級の技術と素材を使えるような建築は、ほんのひと握りです。コストの視点でいえば、こだわりすぎないことにこだわるような、そんな姿勢が大事なのではないか、という考えのまとめです。 いつもじゃないけど、有名な建築家の家や美術館を見ていると、その全てに気が配られていて、コストかかっているなー、いつかこんな建築やりたいなという目で見ています。 こんな建築はひと握りで、だいたいの建築家はみな、コストには悩まされているんじゃ

手書き表現技法としての「虫瞰図」のすすめ

虫瞰図。「え、何?」と見慣れない言葉だろうと思います。以前勤めていた設計事務所の上司から、この表現技法の存在を教えられ、いまや僕の設計ライフでは欠かせないものになっています。 ”むしかんず”と僕はよんでいます。正しくは”ちゅうかんず”と読むのかしら? 漢字変換もままならないので、一旦みんな知ってる”鳥瞰図”と打ってから、”鳥”を消して強引に”虫瞰図”とPC画面上で文章を打っています。以下の”虫瞰図”はすべてコピペです。 建築のパースで良く用いられる「鳥瞰図」とは対をなす表

ツールとしての『手書き』を建築設計でどう活かすか

今日はとても暖かいですね、だから強めの風も、適度に肌を冷やし心地よいです。 たまには役に立ちそうなことを書いてみたいなあ、とふと思い立ち、 建築設計における「手書き」の使いどころとは、何かと考えてみました。 どうでしょう、設計を志している方や、すでに実務を行っている方にとって、「手書き」の存在意義はどこにあると思いますか。 建築設計者向けの、「手書き」での透視図や図面の書き方が記されている書籍は多くありますが、その多くはプレゼンテーション向けになっている気がします。

うねる大地 ぐりんぐりん(建築物語6)

福岡県の植物園、ぐりんぐりん。 名前の通り、大地がめくりあがり、うねったような建築です。 グリーン(緑)と、ぐりんぐりんとした形をとった施設名ですね。市営の施設ですが、その直接的なネーミングセンスが抜群だな、と個人的には思っています。 場所は福岡県福岡市、博多駅から北へ電車とバスを乗り継いで30分ほどにあります。アイランドシティという、埋め立て地の新興住宅街の公園の中にあります。 設計は、伊東豊雄さん。仙台メディアテークや台中国家歌劇院など、コクk内外問わず、その