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振り返り戦略のメカニズム、失敗を成功に変えるために必須の要素とは何か(前編)
私たちは人生で、数多くの成功と失敗を経験します。成功と失敗の境界線は一体なにか?という疑問は、多くの人が抱いたことではないでしょうか。
私自身は、仕事柄この「成功と失敗を分ける境界線」の探求に膨大な時間を費やしてきました。代表書籍『「超」入門失敗の本質』も同じ方向性を持つ研究結果です。
同じ形の失敗は、残念ながら繰り返されることが多い。
私たちは同じ思考と同じ方法論についつい頼ってしまいます。端的にいえば、そのほうが楽だから。しかしそれが、避けられたはずの失敗を繰り返し生み出しているのではないかと考えました。
その「同じような失敗」を効果的に避ける方法論を提示することが、この「振り返り戦略」という研究テーマの目的です。
【振り返り戦略の概略】
振り返り戦略の理論モデルは、活用可能なリソースに着目して議論をしています。この場合のリソースとは、物理的な材料に限りません。思考法や発想、何々流などの(自分が活用する)流派も含まれます。
ちょっと待ってくれ!なぜ振り返り戦略が、「失敗を成功に変える」ことを目標にしながら、いきなりリソースの話になってしまうのか?
理由はシンプルで、戦略生成(戦略を生み出す行為)を左右する要素の多くが、活用できるリソースで決まるからです。私たちはそれぞれが持っているリソースに応じて戦略を決定している(ことが非常に多い)。
*ここでのリソース=素材、原材料は物理的なだけでなく、思考法も含む
わかりやすい例で説明しましょう。人は燃費のよいクルマに乗っていると、遠出をすることが苦にならない可能性が高まります。なぜなら、移動コストが極めて安くなるからです。
プログラムを自分で書ける、データベースを自分で構築できると、外注する必要性とコストを省け、システム構築でスピード感や思考錯誤ができる仕事環境が生まれます(フェイスブックの創業者を思い出していただければ)。
スポーツで、万年最下位のチームが、監督が替わったとたんに翌年から優勝争いをする競合に生まれ変わることがあります。
新監督の頭脳にある、スポーツを戦うときの「勝利へのソフト」を活用できるようになるからです。新監督の頭脳も、ある意味でリソースなのです。
しかし、経営者を含めた複数の人物の失敗から成功への転換では、初期において個人の心理が極めて大きな障害となっていることが判明しています。
心理的側面の障害は主に3つ。1)自己理解の欠如、2)相手の理解の欠如、3)環境・状況理解の欠如である。
3つの障害の解決が重要な理由は、3つの心理的疎外要因を解決しないと、個人が自己の目標達成に向けて利用する戦略(追いかける指標)を変更する必要性に(自身が)気付けないのです。
自己理解、他者理解、環境理解が変化しないかぎり、別の(新しい)リソースの必要性に本人が気付けない。
すると、振り返り戦略における転換点となる「別種のリソースが導入される」ことがないため、永遠に失敗を成功に転換できなくなってしまうのです。
⇒後編に続く
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