君はいつも、うそをつく。雨の日に最高の音楽は、雨音だって。
「雨の日に最高の音楽って、何だと思う?」
「え、わからない」
君は、いつもこうだ。
会話の始まりは、問いから。
とりわけ、朝焼けのベッドの中では。
まるでこの世のすべてが、疑問符で彩られているかのように。
君は、再び口を開く。
「そんなことはないよ、真実を知っているはず」
「わからないよ、雨の日に最高の音楽って何?」
そう返答すると、君はくすくすと笑いながら、囁く。
「雨音だよ。そしてそれは、あなたの名前と一緒だ」
君はいつも、ウソをつく。
雨の日に最高の音楽は、雨音だって。
まるで私のすべてが、君で彩られているかのように。
***
えーっと、恋愛小説の冒頭的な感じから、本文はスタートしました。
なんかパッと思いついたから書いたよ、即興です、即興は楽しいです。そして、恋愛小説的なアウトプットは、脳みそから快楽物質的なものが分泌されているはずです、たぶん。
ということで、雨の季節です。
なんか、雨の日に聴きたくなる曲について書きたくなったので、パッと思いついたやつ、3曲紹介してみます。極めて個人的な、さまざまな思い出込みです。
君はいつも、真実を語る。
雨の日に最高の音楽は、思い出だって。
【Corinne Bailey Rae - Paris Nights / New York Mornings】
イギリス出身のコリーヌ・ベイリー・レイ、『Paris Nights / New York Mornings』。曲名を日本語にすると、『パリの夜、ニューヨークの朝』っすね。
なんかこの曲、パッと思いついたな。歌詞でも、雨について触れてるからなのか。
この曲は、裁判でもめていたLed Zeppelinの曲をサンプリングしていたり、『ティファニーで朝食を』を意識していたりするみたい。
うーんと、なんか全体的にキュートな曲ですわ。このアーティストさんも、すごくキュートですよ。
雨の日って、たいていの人はテンション上がらんし、キュートさによって、救われるかもしれないね。
【Eminem - Stan (featuring Dido)】
「金髪×短髪」「パーカーをかぶる」という人に対して、「エミネムかよ!」というツッコミが、お笑い業界にありがち。
という話はさておき、エミネムの『Stan (featuring Dido)』って、雨のイメージが強い曲ですね。サウンドも、歌詞もそうさ。
何度かnote上で書いてるけど、わりかしラップにハマった時期があって、中高生ぐらいに知った外国人のラッパーと言えば、エミネム(と関連のあるラッパー)が最初だと思います。2002年に『8 Mile』という映画もあったよね、そういえば。
エミネムを初めて聴いたのは、この曲ではなく、妻に対してめっちゃキレてるラップだった記憶があって、やけに感情的で怖かったです。
「怖さ」を前面化しているコンテンツは、ホラー映画や心霊とかみたいに、記憶に残りがちです。
【X JAPAN - ENDLESS RAIN】
この曲、1989年にリリースされているのか。もっと、後期の作品のイメージがあったけど、あの『紅』の次のシングルなのか…!
X JAPANの個人的な思い出、『THE LAST LIVE〜最後の夜〜』とかのビデオを見て、それが脳裏に焼き付いています。同世代にファンの人もいましたかね、リアルタイム世代じゃないのにね。つまりX JAPAN、影響力がハンパないってことですな。
というか、私の親世代でも、「歌がうまい」「カッコイイ」という評判があって、人気を集めていたような記憶もあるぞ。YOSHIKIさんは、今も特別な人ってイメージがあるから、やっぱ影響力がハンパないってことなのだろうか。
という話はさておき、何年かぶりに『ENDLESS RAIN』を聴いてみると、ギターソロの部分がとても印象的です。昨今では、あんまりないやつだからです。でもそれが逆に、新鮮なわけであります。
ということで、『ENDLESS RAIN』はバラードだし、このnoteの冒頭、恋愛小説的な始まりだったので、恋愛系の、いい感じの結びになりそう。
君は常に、うそをつかない。
雨の日に最高の音楽は、バラードだって。
(了)
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