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企業のVisionについて考える
現時点での甲府のベストサウナは、間違いなく湯殿館。源泉掛け流しの温泉かつ、サウナ施設も広くて快適。露天風呂で外気浴もできて、とても気に入ってます。
そんな湯殿館の休憩所からこのnoteを書いているのですが、本日のトピックは、現在RECOTECHが取り組んでいるリブランディングの一環で再考している、MVVのVisionについて。ちなみにリブランディングプロジェクトでは、コーポレートロゴ、サービスロゴ、コーポレートサイト、MVVの全てを刷新します。今年中には全部完成し、発表できると思います。僕にとって(辛くもあるが)最高に楽しいプロジェクト。
RECOTECHのVisionは「ごみという概念のない社会をつくる」でした。何を目指しているのかとてもわかりやすく、個人的には今もしっくりきているし、目指している世界観に全く違和感はないのです。けれども、今回の大幅なリブランディングに伴い、RECOTECHの見え方が全く変わってくるので、「ごみをなくす」というとても聞き慣れてしまった言葉ではなく、ごみをなくしたその先の世界観を言葉に落とし込もうということに決めました。たった今は、Visionのイメージはできているけれど、どの言葉の抽象度で表現をするのが適切かを探しているところで、なかなか生み出せない苦しみの中にいます。輪郭は見えてきて、もう少しでこれだと思うものを掴めそうというところ。
今回改めてVisionを刷新するにあたり、そもそもVisionってどういうことなのか、ということから深ぼってきたので、その辺りをまとめたいと思います。
そもそも会社にとってのVisionって何なのか
ビジョンの語源は、ラテン語の動詞「videre」。 「見る」という意味があり、「何を見ているのか」「どういう将来像を思い描いているのか」ということです。なので、企業にとって究極的にどこを目指して進んでいくのか、ということを定義することです。佐宗さんの経営理念2.0の書籍では、「私たちは将来、どんな景色をつくり出したいか?」という問いに対する答えがVisionだと書かれており、個人的にはとても納得しています。
一方、PR timesが発行しているMVVの説明記事では、V(ビジョン):企業・組織が目指す「あるべき姿」とした上で、以下の説明が書かれていました。
ビジョン(Vision)とは、企業・組織の理想像、中長期的な目標を表す言葉です。ミッションを実現するために、企業・組織はどのような状況になるべきか、どのような志であるべきかを明文化します。
Visionの捉え方にも色々あるようですね。この捉え方によって、言葉の表現することがかなり変わってくると思います。
いろんな企業のVisionを見てみた
直接企業サイトを見ていないものもありますので、もしかしたら最新のものではないかもしれないですが、Visionをつくる上で参考として、他社の事例をたくさん見てみました。
サイバーエージェント :
21世紀を代表する会社を創る
味の素:
私たちは、お客様に役立つ独自の価値を創造し続ける「グローバル健康貢献企業グループ」を目指します。
花王:
消費者・顧客を最も知る企業に
コカコーラ:
・すべてのお客様から選ばれるパートナーであり続けます
・持続可能な成長により、市場で勝ちます
・常に学びながら成長します
・コカ・コーラに誇りを持ち、誰もが働きたいと思う職場をつくります
ソフトバンク:
世界の人々から最も必要とされる企業グループ
丸井:
ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る
note:
noteがあることで、人々は本当に伝えたいことに専念できるようになる。
Google:
To provide access to the world's information in one click
Facebook:
People use Facebook to stay connected with friends and family, to discover what's going on in the world, and to share and express what matters to them.
Amazon:
To be earth's most customer-centric company: to build a place where people can come to find and discover anything they might want to buy online.
Visionには内向きなものと外向きなものがある
やはりVisionの捉え方の違いによって、表現方法が内向きと外向きの2パターンに分かれました。
先ほど例に挙げたVisionで、区切り線を引いているものよりも上のものは、内向きなVisionです。将来的に自社がどうありたいか?ということを言語化している企業たちです。21世紀を代表する会社を創るというのはまさにその名の通りで、会社の在り方として、何を目指しているのかが表現されています。
一方、区切り線よりも下に挙げた例は、外向きのVisionを掲げている企業たち。自社の活動を通して、どういう景色(世界)を作りたいのか?という世界の状態について表現しているものでした。
個人的には、外向きなVisionこそ、本質的なVisionだと考えています。Visionの本質が「見る」ということであれば、対象の景色は自社のことではなく、社会の状態であるべきだと思いますし、実際に内向きなVisionで惹かれるものは個人的に一つもありませんでした。
僕が個人的に一番グッときたものは
GoogleのTo provide access to the world's information in one click.
この短いセンテンスに、googleが目指すものの全てが込められており、とても秀逸な表現だと思います。one clickという革命的な手軽さ感が、テクノロジーとイノヴェーションのワクワク感を彷彿とさせます。
僕たちが表現したい景色は?
これは言葉が決まってから改めてまとめたいと思いますが、僕たちが見たい景色は、地球の自浄作用と物質循環の時間軸の調和が取れた世界。結局ごみという概念が存在するのは、人間の時間軸の話だけであって、どんな物質も時間軸の視点を変えると、地球の自浄作用により必ず循環しています。処理ができない!と問題になっている放射性廃棄物でさえ、約10万年もあれば天然のウラン鉱物と同じ放射能レベルに下がります。問題は人間の寿命が約100年とされている中で、10万年は何世代を超えて管理しなければならないという世代を超えた負債を残してしまうことにあるのです。なので、テクノロジーを活用して、世代間をまたがないような物質循環をデザインすることでこの構造的な歪みをなくしていきたいというのが、僕たちが目指す世界です。これをどのような言葉に落とし込むのか試行錯誤中。しっくりくる言葉に出会う未来は決まっているので、あとはそれに合わせにいくだけ。楽しみです。
終わりに
今まさVisionの言語化の産みの苦しみ最中ですが、Visionに対して思うことをまとめてみました。同じようにこれからVisionを決めていく方や、今まさに取り組んでいる方に少しでも何か気づきのきっかけになると嬉しいです。リブランディングが完了したタイミングで、改めてnoteでも報告させていただきます。
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