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詩「詩人とは名ばかり」

20240613

雑音混じり つぎはぎだらけ
どうでも良いことばかりに悩んで
怒りも絶望も 慣れてしまった
これから何処へ向かえば良いのだろう

彼は一人 何時までも一人
美しい世界が 遠くに見えて
揺れているから 機嫌が悪い
此処は見晴らしが良いだけだ

いつか言われた 言葉が聞こえる
「それは全然 違うことじゃないか」
やりたくもないことの話から
やりたいことを語った時に言われた

夢を語れば やっていることを笑い
やっていなければ 夢が消え去る
誰かに気を使うこともない
今だからこそ そいつらの声が聞こえる

誰ともつかないそいつらの
顔の皮膚をめくる 指が折れそうになる
表面がなくなれば 同じように見える
増殖する赤 人間だった奴ら

膨れ上がった何かを書き取るノートが
悲鳴に塗れた時は安心すると良い
その声をひたすらに掬い上げても
結局 後から見れば 詩は詩として在る

詩人を見れば 俗物ばかり
必死にしがみつき 周りが見えない
つまらないことを 大声で叫んで
何が面白くて そこへゆくのだろう

詩人を聞けば 俗物ばかり
肩書欲しさに 賞の争奪戦
獲ったところで 何になった
雑誌に載って 何になった

詩人を知れば 俗物ばかり
機嫌取り 学問気取り 教科書の隅
開かれることのない城の扉
ミイラになるまで社交ダンスしてる

詩人を名乗れば 居場所はない
苦しさにもがいて 書くしかない
息が出来る頃に きっとわかるだろう
此処が何処か 彼は誰か

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