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詩「ハナウタ」

20231026

音程のズレたマシンに乗り込み
心情に合ったバラードを歌う
マイクが悲鳴をあげても
メロディが続くのは仕方ない

頭の中をほじくり出して
誰かに見せたい夜もある
布団の中で化石になって
眠り続けたい朝もある

音楽にならない言葉たちが
手持ち無沙汰でこちらを向いて
つぶらな瞳を潤ませるから
リズムを探すのは仕方ない

身体の中に溢れたものを
誰にも見せられない夜を
朝日の眩しさにしかめた顔を
眠りから覚めない朝を

それぞれのサイズで切り出して
貼り付けたメモが落ちている
拾い集めて壁に貼ったら
いつの間にやら口ずさんで

通りすがりの孤独に共鳴して
涙を流してみても
哀れんだ自分の傲慢さを
磔にして飾ってみても

何もない日常が広がる
音程は合うことはなく
マシンが停止することもない
メモは壁を埋め尽くしていく

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