詩「『スワイプ』」

20240814

ペニスが大きければどうにでもなるような気がした
深くにまで潜り込めるし大きくて損はないだろう
2ミリ程の後悔と反省とペニスをぶら下げた男は
今日もトイレ清掃のおばさんをチラチラ見ている

自己嫌悪の塊　負け犬どもの遠吠え　スワイプすれば良い
スワイプする手が腱鞘炎になっても
吐き散らかした白い魂の存在証明が部屋を満たして
溺れるまで彼はスワイプをやめない

またスワイプしようと宇宙旅行をして
詐欺写メの水死体のような自撮り画像でほくそ笑み
鼻血が出そうなほど可愛い女のスワイプを求めて
スワイプする　まるでスワイプのように

ワイプからはみ出たスワイプがスワッピングを求めて
彼はホテルの一室に向かった
お気に入りのワックスとスワイプを塗りたくり
マカ配合の飲料を胃にスワイプしたから準備万端だ

彼のペニスはあまりにも小さくて
初めは見つからずに必死にかき分けて行った
ようやく辿り着いたジャングルの奥地で
水浴びをする子猿がまん丸な瞳で見つめ返した

ホテルが丸ごと潰れるくらいの笑い声が響き
3メートルのペニスと4メートルのヴァギナは揺れた
彼ごと飲み込んで抜けなくなった
それでもスワイプされないよりはマシだったかも知れない

彼のワイフは夢中で3メートルをスワイプしていた
彼では物足りないので4メートルのヴァギナも加わった
スワイプするしかなくて何回もスワイプした
スワイプされた自尊心はもう二度と起き上がらなかった

やっぱり白い魂の存在証明が残る部屋に籠ることにした
彼の部屋には南京錠がスワイプされて
誰も彼をスワイプできないようにされてしまった
レイプ犯のように扱われて今後の人生はスワイプだ

ペニスが大きければどうにでもなるような気がした
それだけで良かった　スワイプ　存在証明　スワイプ
レイプ動画でハンモックの上　スワイプしまくった
横揺れのスワイプが心地良くて好きだった

彼はもうスワイプをやめたくなったが
スワイプするしかなかった　許されなかった
ワイフはいなかった　3メートルも4メートルも
彼のスワイプが現実までスワイプしてしまった

2ミリの銃でスワイプを撃った
中からスワイプが出て来て　そいつも撃った
2ミリのペニスが存在証明を残した
取り壊されてもなお　スワイプし続ける部屋の中

スワイプされた歴史が　スワイプした彼を飛ばして
スワイプしている最中にスワイプされてしまった
此処はどこだ？と疑問に思う余裕もなく
ただただスワイプした　最早スワイプのようだった