詩「うろうろ」
20240729
ペイズリーな気分で 揺れる街を眺める
人は踊り狂って そこらに倒れ寝ている
何があったか聞いても 烏たちは答えない
祭が終わった後には 遺されたゴミの山
浮ついた声を出して 酔っ払いが乱れて
吐瀉物まみれになれば この街に似ている
何があったか聞いても 答えは見つからない
祭が始まる前から 終わっていたみたいだ
飛び交う羽根 模様の浮き出た肌
撫でる熱い両手 ハンカチは要らない
捨ててきた過去を 隠してくれたから
この街はまだ 味方ということで良い
何があったか気になる そんな夜には
残骸を眺めて 倒れた人を見下して
今だけは誰かよりも 幸福だと錯覚する
草花が咲き乱れる 幻覚に惑わされながら
ペイズリーの靴を履いて 引きずる足の重さが
軽くなり過ぎて 少し中に浮いている
ミュージックバーから 聞こえる歪んだギター
耳を傾けていると 全てどうでも良くなる
揺れる街 倒れる人 烏たち ゴミの山
朝になれば 正気に戻ってしまうから
今だけはそのまま 触れるような距離で
しっかりとこの身を どこかへ運んでくれ
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