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詩「礫」

20240917

ホームから見えたものが
鳥の礫死体だったのか 木の屑だったのか
コンビニのおにぎりの残骸だったのか
考えながら 電車を待っている

彼は目を閉じる 想像してみる
鳥が木の屑を咥えてコンビニに出かける
おにぎりを探すが好きな味がない
駅の反対のコンビニに向かう途中 電車に轢かれる

鳥は彼を見て(今日の予定が面倒だ)と思う
木の屑は彼を見て(良い服を着てやがる)と思う
コンビニは彼を見て(いつも何も買わない奴だ)と思う
電車は彼を見て(誰よりも見窄らしい)と思う

彼は ホームらしきコンクリートを見上げながら
電車を待つ人を見つめている
線路は そんな彼の枕になってやり
電車が通るたびに変化する彼を楽しむ

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