詩「ちっぽけ」
20231014
慣れっこになったひとりぼっちも
パレードに沸いた街を辿ると
ふと湧き上がるなんとも言えない
気持ちで溺れてしまいそうになる
ジャケットの中の小銭だけで
幸せが買えるのは幸せだ
それほど悪くない生活には
置き去りにされた心が落ちている
愛したものから捨てまくれば
愛されたことも忘れてしまう
愛という言葉を容易くは
使えなくなってどれだけ経った?
愛したいものから離れれば
愛されることはなくなってゆく
愛という言葉で騙されて
馬鹿になれないまま時だけ過ぎた
さようならと手を振る誰かに
振り返す手がやけに冷たくて
季節が変わっただけじゃない
何かがまた削れて落ちた
また明日と言える誰かを
探す瞳に目薬を差して
季節を数えてただ待つだけ
何から始めるか考えながら
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