詩「燭台」
20231102
私はキャンドル
あなたの声を聞く
灯火は揺れる
想いは掠れてゆく
夜よ もう少し 隠していてくれ
いっそのこと雨が降ってしまえ
かき消されることのないこの部屋で
あなたは私に照らされて
影が形作る
あなたの内側
灯火はそのまま
短くなる身体
街よ 静まれ 明かりを消してくれ
いっそのこと闇に消えてしまえ
かき消されるまでのこの命で
私はあなたに照らされて
微笑み浮かべて飛ばしたナイフが
突き刺さる壁に描いた落書き
燻った心を燃やしてしまおう
あなたは私 あなたは炎
ソファの中で絡みつく過去が
突き刺す胸の痛みを集めて
粉々になるまで 飛び跳ねる
私はあなた 炎は私
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