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詩たち

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2024年3月の記事一覧

詩「コーヒーと彼」

詩「コーヒーと彼」

20240308

とりとめのない話をしよう
いつの間にか時が過ぎてゆくような
笑いどころなんて捨ててしまおう
きっとそれが一番良い

カフェの席は居心地が良いから
彼は一人きりでいることを忘れて
語りかける 嘘も本当も
混ざり合って歪になった体験談

登場人物には着飾ってもらって
それぞれの事情は突拍子もなく
抱えている問題は山積みで
解決することなく突き進んでゆく

撃たれた頬の痛みを忘れよう

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詩「雨降りの朝」

詩「雨降りの朝」

20240308

夢から覚めて落ち込む脳内で
整理しようとするあれこれが
次第に消えていくのを待っている
それまでは布団の中でモゾモゾとする

荒唐無稽であればあるほど
それが示すものが不明で
あのパンは一体何だったのか?
溢れ出る疑問は抑えられない

もう会えない人々が出て来る夢は
何よりも苦しくて吐き気がする
真っ暗にした部屋の中
蛹に入ったままの幼虫になる

変われないところと変わったとこ

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