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小腸真菌過剰増殖症 (Small Intestinal Fungal Overgrowth, SIFO)

概要

小腸真菌過剰増殖症(SIFO)は、小腸内に真菌が過剰に存在し、胃腸(GI)症状を伴う状態を指します。カンジダ症は、特に免疫不全患者やステロイドや抗生物質を使用している患者において、GI症状を引き起こすことが知られています。しかし、最近になって免疫が正常な患者においても小腸内の真菌増殖が原因で原因不明の胃腸症状を引き起こす可能性があることが示唆されています。

最近の2つの研究では、原因不明の胃腸症状を持つ患者の26%(94人中24人)および25.3%(150人中38人)がSIFOを持っていたことが報告されています。この患者群で最も一般的な症状は、げっぷ、膨満感、消化不良、吐き気、下痢、ガスでした。

SIFOを引き起こす基礎的なメカニズムは明確ではありませんが、小腸運動機能不全やプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用が関与している可能性があります。しかし、これらの観察を確認し、健康な被験者やその他原因不明の胃腸症状を持つ患者における真菌過剰増殖の臨床的意義を調べるためには、さらなる研究が必要です。

重要なのは、真菌の撲滅や治療が症状の解消につながるかどうかは未解明である点です。現時点では、2~3週間の抗真菌治療が推奨されており、症状の改善に効果的である可能性がありますが、完全な撲滅の証拠は不足しています。

source
https://link.springer.com/article/10.1007/s11894-015-0436-2

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