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「ハレ切り」 画面の中に太陽が入る時はどうするの?
写真撮影まめ知識①
最近はレンズコーティング技術が向上し、フレアやゴースト発生は低減していますが、可能な限り「ハレ切り」して画像の質を上げたいと思う比呂池です。
迷光の種類
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ゴースト
強い光がレンズに入射し、レンズ内で反射した光が絞りの形や楕円として写る光の像。事例画像では、太陽の対角線方向に色のついた楕円が並んでいます。
フレア
レンズやボディの中で光が反射し、画面にカブリやムラが出る現象。
右の事例では太陽から円弧状に光が出ています。
ハレーション
強い光がレンズに入射し、画像の一部がボヤける現象
フィルム内部で発生する現象でデジタルカメラでは発生しません。
迷光防止の対策 「ハレ切り」
ハレ切り = ハレーションカットの略
フードや仕切り板等で、有害光がレンズに入射しないようにすること。
フィルムカメラ時代の用語ですが、デジタルカメラの現代でも迷光防止対策の意味で使用します。
「ハレ切り」の一般的な方法
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上記のハレ切りは、フードや仕切り板が写らないよう画面の外側で「ハレ切り」をします。 すなわち、有害光発生源は画面の外側にある場合です。
ここからが本題です!
画面内に有害光発生源(太陽)がある場合の「ハレ切り」はどうする・・・?
「ハレ切り棒」の作成
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サイズの根拠:カメラバックに入る長さが40cmだった。
ケント紙直径は太陽を隠すだけのサイズがあればOK
撮影方法
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1カットめ ハレ切りなしで通常撮影
2カットめ ハレ切り棒で太陽を隠して撮影
ああ~何ということでしょう
あんなに出まくっていたゴーストがまったく出ていませ~ん
撮影のポイント
三脚を使用する。
カメラとハレ切り棒を両手で持ちながら撮影するのは至難の技
ハレ切り棒で太陽が隠れると露出値が変わりますが、次工程の画像処理で対応します。
フォトショップでの画像処理
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ゴースト画像にハレ切り棒画像を重ね、マスクを黒塗りし、ハレ切り棒を非表示にさせます。
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太陽周辺の空の明るさが違うので、トーンカーブで調整します。
最後に・・・
真夏の太陽の輝きを表現するために、ゴーストやフレアを写し込んだ方が良い時もあります。 ゴーストやフレアは必ずしも「悪」ではありません。
フォトショップの「削除・塗りつぶしツール」が進化し、斜めに伸びるゴーストを消すことも可能となりましたが、ゴーストが写ってなくレンズの性能が発揮された画像の気持ち良さは格別です。
フォトショップの画像処理が上手く説明できませんでした。実際パソコンで説明すれば難しくありません。お問合せください。
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三脚につけたカメラを逆光方向に向け、●をつけた棒を振り回している比呂池を見かけたら、あやし~いオヤジとは思わず、あたたかい眼差しで見守っていただけましたら幸いです。