写真と俳句 その三十七
上部の画像は、キブシ(木五倍子)の花です。早春に咲く少し黄緑がかった黄色の花。私は、このキブシの花が風に揺れているのを見ると、黄蝶に、少し似ているように感じています。日本の固有種です。北海道南部から鹿児島の島しょまで広く生息しています。
この写真の花は、長く大きな花序を付けているので雄株です。がく片と花弁は4枚、8本の雄しべが付いています。
秋になると、キブシの雌株には、緑色から黒色に熟す実が成ります。この果実には、タンニンが豊富に含まれているため、薬、黒色染料やお歯黒の材料になるヌルデに付く虫こぶの代わりに用いられることがあります。その虫こぶは、「五倍子」(ふじ)と呼ばれるので、キブシという和名は、五倍子の代用で、「木五倍子」といわれています。
起きよ起きよ 我友にせんぬる胡蝶 芭蕉
*文末のリンク 「鶯」の「荘周胡蝶の夢」をご参照ください
蝶の羽の 幾度越ゆる 塀の屋根 芭蕉
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山吹の 蝶を見てゐて 得度かな 飯田蛇笏
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一日物云はず 蝶の影さす 尾崎放哉
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北黄蝶 越す苦みせずに まふすがた 広在
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