“フィードバック”より”アドバイス”を求めよう🤔
自分のパフォーマンスについて意見が欲しい時、同僚や友達にどのように頼むでしょうか。”フィードバック”という、最近は日本語でも市民権を得た言い回しをする方も多いと思います。
実は、他からの意見を得たい時に、「フィードバック」という言葉を使うより「アドバイス」という言葉を使う方が良いかも知れない、という面白い研究があります。
すぐに使えるので、参考にしてみてください。
フィードバックを求めることの弊害
普段から自分のパフォーマンスの向上を考え、フィードバックを求めるという意識高い系の方もいらっしゃると思います。
しかし実は、フィードバックを求めることと業績との関連は弱く、従業員は受け取ったフィードバックが役に立たなかったと報告することが多いということが、今回引用する論文にて言及されています。
研究によると、ほとんどのフィードバック希望者は自分のパフォーマンスを向上させるために「批判的」かつ「実用的」なコメントを望んでいます。しかし、驚くべきことに、"フィードバック "を求めることは、フィードバック提供者の洞察の重要性と実行可能性を制限し、提供者の未来志向を高めることにならない、という事が分かっています。
“フィードバック” という言葉から連想されるものは「現状」や「評価」であり、提供者の視点を「対象の現在の状態」にフォーカスさせてしまうようなのです。
“アドバイス”という言葉を使おう
では、フィードバック希望者が、自分が求めているような「批判的」かつ「実用的」なコメントを引き出すにはどうすれば良いのでしょうか。
非常にシンプルな解決策があり、なんとフィードバックという言葉の代わりに”アドバイス”という言葉を使って、意見を求めれば良いらしいです。
研究によると、”アドバイス”という言葉を使われると、視点が「現在」から「未来」に変わるそうです。「この人がもっと良くなるためには、今後はこうしていくと良いのではないか…?」という考え方になるわけなので、実はより発展的なコメントを引き出せるようなのです。
アドバイスという言葉は「バカっぽい」
今回引用している研究は米国のものなので、日本語において当てはまるのかどうかなんとも言えない部分があります。しかし私は、日本語においても当てはまる可能性は高いと考えています。
というのも、英語の ”feedback” “advice “ は、日本語でもほぼ同じ発音、同じ意味で使われているからです。
しかし、ここからは完全に私見なのですが、恐らく最近の日本のビジネスシーンでは、「アドバイス」という言葉は使いづらいのかな、とも思います。
「何かフィードバックを頂けますか?」
「何かアドバイスを頂けますか?」
という2つの発言を比べると、ほぼ同じ意味にも関わらず、「アドバイス」という言葉を使った方が子どもっぽく聞こえないでしょうか?私だけかもしれませんが、日本語で「アドバイス」という言葉を使うと、どこか「(発話者が)何も考えていない」「思考停止」なニュアンスが生まれるような気がします。
正直、「フィードバックを頂けますか?」も同じ意味なので充分「思考停止」だと思うのですが、どこか「意識高い」感じが生まれるような気がするので不思議です。
言葉を尽くしてからアドバイスを求める
「アドバイス」という言葉をただ使うと子どもっぽい聞こえてしまうので、使うときは「言葉を尽くしてから」が良いかも知れません。
「自分はこう考えて、このようにやってみました。しかし、この部分をどうしようか迷っているので、何かアドバイスありますか…?」
のような感じで、「自分はこう考えた」という事を前段で述べると、「思考停止」感は緩和されるかと思います。
まとめ
「フィードバック」は提供者の視点が「現在」に固定され、発展的なコメントが出づらい
「アドバイス」は提供者の視点が未来に固定されるため、発展的なコメントが出やすい
日本語においては「アドバイス」という言葉は子どもっぽく聞こえる可能性もあるため、言葉を尽くしてから使用する
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参考文献: Soliciting Advice Rather Than Feedback Yields More Developmental, Critical, and Actionable Input
https://www.hbs.edu/ris/Publication%20Files/20-021_45b4e0ac-6d65-4d33-b293-b3bddcb60f78.pdf