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レクチャーとは会話である
※ この記事は、2024年07月31日にQiitaで投稿した記事を移転したものです。
目次
レクチャーとは
この記事で登場する「レクチャー」という言葉は、「人に何かを説明すること」を意味しています。
想定している読者
この記事は、ビジネスで上司や同僚、お客さんから「何が言いたいのか分からない」と言われたことがある人を想定して、執筆しています。
かくいう筆者も、過去に同じ経験を何度もしています。
筆者は役人時代、前提知識がほとんど無い人に対して、施策やシステムの説明をする機会が多々ありました。
そこで培ったノウハウが誰かの役に立てばと思い、この記事を書きました。
先に結論
レクチャーとは、一方的な説明ではありません。
説明した内容を相手が理解しているか、小まめに確認する必要があります。
そうすることで、説明不足な箇所に気づくことができますし、より相手が求めている情報も分かります。
できるだけ、言葉のキャッチボールをするように心がけるのがよいと思います。
人の集中力は驚くほどに短い
諸説ありますが、人が集中して話を聞いてくれるのは、3分程度です。
興味のある話題であったとしても、15分程度が限界です。
![](https://assets.st-note.com/img/1726918893-U4B9qyrbwYn6kdeZPAvozI5M.png)
とはいえ、長い説明をしなければならないシーンはあると思うので、その対策法を記載します。
相手にボールを投げる
そこで便利な言葉が、「ここまで大丈夫ですか?」です。
いったん話題を区切って相手にボールを投げ、考えてもらうことで、頭をリフレッシュさせるのです。
重要なのは、相手が考える時間を作ることなので、言葉自体は何でもいいです。
図を使って説明する
もう一つの方法が、「図を使う」です。
集中力が切れてきても、図があれば何となく理解してもらえるので、おすすめです。
![](https://assets.st-note.com/img/1726919135-vWJO54E68VZcw2gjTq7oP1ur.png?width=1200)
例え話を使って説明する
抽象的な話が続くと、聞いていてもイメージが湧かないので、相手はストレスを感じます。
誰しも学生のとき、退屈な授業の1つや2つはあったはずです。
その先生は、どんな授業をしていましたか?
教科書に書かれている抽象的な説明を、ただ読み上げているだけではなかったですか?
前述した2つの方法に比べて難易度は高いのですが、例え話を使うと相手の理解が深まります。
ただし、相手が知っていそうなもので例えなければならない点に注意してください。
間違っても、非オタクを相手にエヴァンゲリオンの例えを出したり、スポーツに興味のない人に野球の例え話をすることは避けてください。
結論ファーストの呪い
ビジネス系のハウツー本等で、「結論ファースト」(結論から話すこと)という言葉をよく目にします。
これは正論なのですが、使えるケースが限られています。
例えば、相手から何か質問を受け、それに対して返答する場合、結論ファーストは有効です。
しかし、こちらから何か複雑なことをレクチャーする場合、いきなり結論だけ述べても珍紛漢紛(ちんぷんかんぷん)になりやすいです(難易度が高い)。
相手のメンタルモデルを作る
より簡単な方法としておすすめなのが、相手の「メンタルモデル」を作ることです。
メンタルモデルとは、ここでは「思考の枠組み」を意味しています。
聞き手は、どういった姿勢で聞けばよいのかが分かるだけでも、精神的に楽になります。
メンタルモデルを作るのに必要な情報は、主に以下の2つです。
テーマ、論点な何か
報告、連絡、相談の内のどれなのか
個人的には、「●●の件についてご相談(報告、連絡)があります。」といった言い回しをよく使いますが、言い方は何でもいいと思います。
これらを事前に伝えることで、相手は、着眼点や自分に求められているアクションを知ることができるので、心に余裕が生まれます。
前提の認識合わせはしっかりと
レクチャーの目的は、自分と相手が持っている情報や認識のギャップを埋めることです。
これくらい知っているだろうと思っていることは、大抵の場合、相手は知りません。
聞き手は序盤で理解に躓くと、その後の説明が頭に入ってこなくなります。
なるべく前提知識の説明は丁寧に行い、前述した「相手にボールを投げる」テクニックを使って、相手が理解しているか確認するのがよいと思います。
ボールを投げた(質問をした)際の相手のリアクションを見ることで、前提知識の説明を切り上げるのか、より詳細に説明をするのかの判断がしやすくなります。
全部話さなくていい
自分が伝えたいことは何か
アニメやドラマのダイジェスト版を見たことがある人は分かると思うのですが、結構な量の情報を削ったとしても、話の本筋は大体伝わります。
極端なものだと、20分×24話(480分)のアニメが5分程度にまとめられていることもあります。
ここで大切なことは、「自分が本当に伝えたいことは何か」つまり、話の本筋です。
前述したように、人の集中力は驚くほどに短いです。
関連する情報を色々と詰め込みたくなる気持ちは分かりますが、それが無くても本筋が伝わる場合は、思い切って省いてしまいましょう。
相手が知りたいことは何か
特にレクチャーの相手が上司やお客さんである場合、相手の知りたいことを把握することが重要になります。
相手は、大枠のイメージを掴みたいと思っているのか、それとも細部を掘り下げて説明してほしいと思っているのか、この見極めが大切です。
逆に言うと、相手のニーズに沿っているのであれば、多少説明が拙くても問題になりません。
まずは大枠の説明から始め、相手の様子(表情など)を伺い、その後の説明方法を変えていくのが無難かと思います。
Web会議等で相手の顔が見えないときは、前述した「相手にボールを投げる」テクニックを使って、判断材料を集めましょう。
おわりに
冒頭でも述べたように「レクチャーとは、一方的な説明ではない」ということが非常に重要です。
色々とノウハウを記載しましたが、これらはあくまで一例ですし、万人にフィットする方法はないとも思っています。
相手は何人か
相手はどんな性格か
相手の専門分野(背景)は何か
自分と相手の距離感(関係性)はどうか
等、様々な要素によって、有効なレクチャーの方法は変わってきます。
自分なりの方法を作り上げていく上で、ここに書いたノウハウが少しでもお役に立てば幸いです。