年末年始 雑歌
(十二月四日、中村哲医師兇弾に倒れてから四年が経つ)
絶望ひしめく国を流るる一筋の真珠は希望を生みて
カカ・ムラトの遺せし用水路は永遠にその命の水を運びつづける
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題詠「水」
初雪のせいで進まぬ詠もありみずのとう年も暮れにちかづく
題詠「走る」
走つても前に進まぬ悪夢見ない人つているのと猫にとふわれ
日本人の役はすべて韓流が演じるドラマのざ行のざわめき
(岡井隆先生の短歌:〈杢太郎随筆集を火のついた枯葉のやうに手にとつて読む〉)
火のついた枯葉のやうてふ喩は遙か遠く輝き我を照らす
世にはやる正義の光に背を向けて濃き影見つめる詩人ありなむ
(若者言葉)
ワンチャン風邪ひいたかも、と吾娘の言ひ我が家に犬を探す正月
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