組織として仕事をする
リーダーの立ち位置
大将はドンと構えて小さな事に動じてはなりません。ドンと構えているからこそ部下は信頼して働くのであって、リーダーのくせに右往左往して落ち着かない様な肝っ玉の小さな人物では話になりません。リーダーは豪胆であるべきです。
しかし私はドイツのロンメル将軍が言ったように『司令官たるもの前線で指揮を取れ』『後ろにいてはだめだ。とにかく前に行って皆と一緒に苦労しよう』と思います。
確かに後ろに居て全体を見渡す事も必要ですが、後々それを言い訳に使う人が出てきます。つまり私は楽をしているのではない。全体を見る為にわざと後ろにいるのだ』と主張する訳ですが、それは自分が苦労したくない。楽をしたいから言っている場合があります。責任意識の希薄な中間管理職の場合にこういうケースはあるようです。
前戦から逃げて後ろで遊んでいるだけなのに『全体を見ているのだ』と嘘をつく。その様な人に言いたい。『あなたは何を言っているのだ、仮にもリーダーなら前に出て行って働いてみろ。お前も得意先に行って注文を取ってこい。注文も取れない男が部下に「注文を取ってこい」と言うな』
しかし、ずっと前線にいては戦局を見失う恐れがあるのも事実です。ですから前線で兵を叱咤激励し、皆と一緒に苦労をしては後方に取って返して全体を見渡す様にするという具合に臨機応変に前線と後方を行き来する事が必要になります。
しかしそれでも一番大切なのはやはりメンバーの先頭を切って自分も仕事をして苦労するという事です。この率先垂範は社長だけの問題ではありません。中間管理職のひとも、部下を顎で使って自分は偉そうにしているのではいけません。
渦の中心で仕事をする
自分一人では大した仕事はできません。社内であれば上司、部下、同僚などとまた社外でも仕事に関連する会社の人達と協力して進めていくのが大事です。ただし、自分から積極的に仕事を求めて周囲の人達が自然と協力してくれるような状態にしていかなくてはなりません。これが『渦の中心で仕事をする』という事です。下手すると他の人が渦の中心にいて、自分はその周りを回るだけ、つまり協力させられるだけに終わる場合があります。
海外のメンバーも渦に引き込む
会社の中には『鳴門の渦潮』のようにあっち、こっちに仕事の渦が巻いています。その周囲に漫然と漂っていると、たちまち渦に巻き込まれてしまいます。自分が渦の中心にいて、周囲を巻き込んでいくような仕事の取組みをしなければ、仕事の喜びも醍醐味も知る事はできないでしょう。自ら渦を巻き起こせるような主体的で積極的な人材であるかどうか、これによって仕事の成果は言うに及ばず、人生の成果も大きく左右されると思います。
引き継いだ仕事
前任者の仕事を引き継ぐ場合、作業の目的を知らずに『こうやるように指導された』という事を主張して、改善に取り組む気持ちを持っていない人は業務に貢献していないように思います。この姿勢では、時間が経つほど他社との競争に勝てない状況になってしまいます。自分が担当している時にどれだけ前任者の仕事を改善できたかがその人の価値に繋がるのではないか思います。
つまり、地位が新入社員でも中間管理職でも社長でも先輩でも後輩でも仕事に対して自分の理想とか目的意識を持っていないと、組織としての成長を望む事は難しくなり地位が上になるほどその組織に与える害毒は大きくなります。その為には誰とも意見を共有できる社風を作らなければなりません。大企業病の克服に努めましょう。