固定観念について
人間は動物なのに本能的に自分を固定したくなります。なぜなら固定すれば動くより楽だから。どうしても考えがそちらに行ってしまいがちです。狩猟生活で移動を繰り返してきた人類がやがて田畑を耕し、家を造って定住するようになり生活が安定しました。これが固定観念の思考の流れにつながったみたいです。
しかし固定観念に囚われてしまうと周囲の変化に気付きにくくなります。サバンナに生きる動物たちは雨季と乾季で大移動します。自然界の動物たちはそうして環境の変化に対応します。
また日々の変化を良し悪しでとらえてしまうと楽しめなくなります。『良し悪し』自体が世の常識に囚われた固定観念から生まれたものです。この世にずっと同じものなど存在しません。環境は日々変化していますし、毎日見ていると街並みも昨日と今日では違っています。仏教でいう諸行無常です。
人生は変化があるから面白いのだと思います。もちろん変化は自分に取って都合のいい事ばかりではありません。しかし、悪い変化が起きてもその中で対処していけば自分の中に学びが増えていきます。悪い変化から学べることはすごく多いものです。
固定化に慣れてしまった現代人は変化に不安を感じます。行動しない『楽』ではなくワクワク感のある『楽しさ』を求めて生きましょう。『苦』は自分を成長させる『厳しいもの』として接すれば苦ではなくなります。
変化価値論
成長するには絶えず変っていかなくてはいけません。変化こそが新しい価値を生むからです。生活していく上で変わらない物の数より変える物の数を増やしましょう。
伸びる人はいつも変化しています。継続する事を単なる現状維持と考えるならそれは間違いです。今の状態を将来も保持しようと思ったら絶えず変っていかなくてはなりません。満足とは停滞であり、成長を続けていくには変化が必要とされています。変化対応力や適応力が継続や成長の原動力です。
以前勤務していた会社の会長が年頭の挨拶で『オーストラリアに出張した時に海岸でペリカンが風に向かって羽ばたかずホバリングしている光景を見て、これが我々が目指している経営です』と言っていた言葉を思い出し私もその風景は見た事がありますが『これではいけない』と強く感じました。
仕事の中身を棚卸してみましょう。一年前と同じレベル、同じ意欲、同じ内容の仕事をしていませんか? もしそうであれば自分は退歩していると考えるべきです。変えたものより変えない物の方が多かったらそれは既に停滞です。
変化こそが新しい価値を生みます。自ら変化する事によって成長し、その結果、仕事のスキルが上がっていく。発想を改める。課題を強化する。新しい方法を取り入れる。古いやり方を捨てる。今の自分を変える事を恐れていては成長できません。変化こそが新しい価値を生みます。
謝り方の一例
発想を変える事は謝る時にも役立ちます。仕事で失敗して取引先に迷惑を掛けたら先ず素直に謝る事です。『申しわけありません』頭を下げる。それで収まればよし。もし相手が傘にきて掛かってくれば、じっと頭を下げつつ虎視眈々と『失言』を狙います。『まったく、お宅の上司はどんな教育をされているのですか。顔が見たいよ』
こんな事を言おうものなら『ちょっと待ってください、私は何を言われても構いませんが上司の悪口だけは許せません』大声を出して問題を大きくします。そして、できれば全社的な問題にまで発展させます。
当然相手方は上司が出てきます。トラブルの理由を聞きます。『実は私の上司の事を誹謗したのです。私の事は構いません。しかし…』事情を話せば相手方の上司は『あっぱれ、サラリーマンの鑑なり』と感心するでしょう。
自分の上司も『そこまでオレの事を…』と感激する事になります。ビジネスマンでもヤクザでも一流と呼ばれる人には傲慢な人間は居ません。なぜなら彼らは頭を下げる事が最強の武器になる事を知っているからです。
『論点をすり替えて攻め込む』これが王手飛車取りの交渉です。