養蜂記②自然界は弱肉強食 乗っ取り事件が発生!
ニホンミツバチの養蜂では、学ぶことが多々あります。
その一つが「自然界は弱肉強食だ」ということです。
鹿児島県南九州市の後輩宅に置いてもらっている巣箱に「ミツバチの群れが入ったよ」と後輩から連絡があり、動画を見たら確かにニホンミツバチでした。愛好家にとっては、分蜂(巣分かれ)の群れが空の巣箱に入ってくれるのはとてもうれしいことなのです。
1週間後の4月23日。後輩宅へ行って巣箱を確認すると、確かにミツバチが群れていました。間違いなく新規入居していました。しかし、なにやら違和感が……。
出入りしていたのは、なんと、西洋ミツバチだったのです。
ニホンミツバチが巣箱を乗っ取られたのでした。
写真を見てください。細長い隙間が巣門(出入り口)で、私は高さを6ミリにしています。写っている2匹は西洋ミツバチです。胴のあたりが黄色いのが特徴です。
さて、巣門に何やら白いモノが見えます。これは、先住者であるニホンミツバチの巣の欠けらなんです。西洋ミツバチは体が大きいので、サイズの小さいニホンミツバチの巣は合わないので壊してしまうのです。
ニホンミツバチたちが引っ越したかどうかは分かりません。もし女王バチが死んでいたら群れは消滅するしかありません。
西洋ミツバチの乗っ取りなんて初めてのことです。
鹿児島は、養蜂業(西洋ミツバチ)が盛んなので、庭先などでもよく見かけます。どうやら養蜂業者からはぐれた群れが、やってきたのでしょう。
西洋ミツバチは体が大きいので、ニホンミツバチは負けたのです。残念!
西洋ミツバチは、「アカシア」「菩提樹」「ソバ」「ミカン」などの決まった蜜を集めます。ですから養蜂業者の人たちは、群れとともに花を追ってどんどん日本列島を北上するのです。たいへんな仕事ですよね。
これに対してニホンミツバチは、一か所に置いたままの巣箱の半径2キロ以内にあるさまざまな花から蜜を集めます。ですから、蜂蜜は複雑で深みのある味わいになるうえ、地域によって味も大きく異なります。
さて、私の西洋ミツバチたちは、ほかの群れとは違って、一か所にとどまって蜜を集めるわけです。どんな味になるのか、とても楽しみです。おそらく8月には採蜜できるでしょう。またご報告しますね。