口語 養生訓 よみ解き塾

貝原益軒 原著 松宮光伸 訳註 
口語 養生訓 日本評論社.2000.より引用

第二章 飲食 より

1.節度ある飲食こそ基本

飲食は生命の養いである。それゆえに飲食の養分は、人が生きていく日々唯一の補いであって、半日も欠かすことはできない。

しかしながら、飲食は人の大欲であって、口腹の好むところである。
飲食をすれば、胃腸がまずこれを受けて消化し、その精髄を臓腑に送るのである。臓腑が胃腸の養いを受けるのは、草木が土の”気”によって成長するのと同じである。
したがって、養生の道は、まず胃腸を整えるのが要となる。胃腸を整えるのは、人の体にとって第一の養生である。

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草木にとっての土 と 胃腸 は、同じ。
土の栄養や具合で、草木の成長が違ってくるように、胃腸の具合で、私たちの”気” すなわち 元気さも 変わってくることになる。
最近、腸活 腸は第二の心臓 腸内細菌 などなど 腸にまつわるワードをよく見かける。
腸内細菌の変化で、性格まで変わってくる との話も耳にした。

腸が盛んに注目されるが、その前の消化器官である胃は、ミキサーの働きをしてくれる大変大切な臓器だ。今ブームの腸の縁の下の働きをしているようにもみえ、胃も愛おしくなってくる。

胃は、蓄えられた食物をこね回し、胃液をよく混ぜ合わせて、食物をドロドロのお粥状態にしてくれる。そして、ドロドロになった食物をゆっくりと、次の消化器官である十二指腸へ送りだしてくれるのだ。

腸は、主に小腸で分解された食物から栄養分を吸収する。そして大腸では、最後に残ったカスから腸内細菌の働きでさらに分解され、水分やミネラルを吸収し吸収されて便として排泄されることになるのだ。

土を耕すように、胃腸をイメージしてみたい。
コンポスト作りをしているが、善い土作りをするように、善い胃腸づくりをしてみたい。
そのためには、気を落ち着かせ、美味しく、ゆっくりと味わいながら、時には仲間や家族とお話をしながら、よく噛んで食べ、胃のミキサーが一人で負担を負わないように、口の中の歯でも協力し合いたい。

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消化のお助けマン
麹水



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