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欧米か?欧米化?

日本人の歩き方は世界で最も下手っていうアンケート結果に物申す!

オムロン ヘルスケア株式会社と株式会社ワコールが共同で行った調査(「外国人男性に聞いた日本人女性の歩き方に関する調査」 )で、外国人男性に日本人女性の残念な部分を尋ねたところ64%が「歩き方が残念」と回答。 さらにハイヒールを履いた歩き方については90%が「不格好」と答えたそうです。背筋を伸ばして地面を蹴り、颯爽と歩く欧米人に対して、日本人に多い、猫背でひざを曲げ、足を引きずりながらチョコチョコ歩く姿は、世界基準ではおかしく見えてしまう。
という記事が「FRAU」のデジタル版に掲載されていました。元の調査データはコチラです。https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2015/0120.html

「ちょっと待って!」

「世界基準って何?」

「外国人男性に聞いた日本人女性の残念な部分?」

「そもそも外国人男性が勝手に不格好とか言っていることを気にするの?」

って感じてしまったのは私だけでしょうか? かっこ悪いって外国の男性に言われたから歩き方なおしましょう!ってどういうこと???!!!

歩き姿の世界基準って誰が決めたの?

良く世界基準とか言いますが、物を輸出入する際の安全の基準や品質の基準というものは、安全性を確保する上で必要ですよね。うちの国に商品を売りたいのであれば、こういうことをクリアしてくださいネ という言い分は理解できます。

でも歩き方の世界基準っていったい誰が決めたの?って思いませんか?

そもそも海外の男性に残念だと思われるから、歩き方なおしましょうという出発点、スパファンゴ協会的には「やめましょう!」と断言したいと思います。

背筋を伸ばして地面を蹴り、颯爽と歩く欧米人

そんなの当り前です。欧米人は靴と洋服を着る文化で生活し続けてきた人間。逆に和装で歩いてくださいと言ったら、草履で歩くのがぎこちなく、着物ははだけ、不格好になるはずです。

日本人が、洋服と靴をみんなが着用しだしたのは、戦後。明治維新で一時的に洋装がモードになりつつあった日本でしたが、それもお金持ちたちだけの話で、その後すぐに戦争に突入し、洋服が定着するのは第二次世界大戦後。つまりたった100年足らずの歴史だということです。

戦後の日本は急に椅子に座って教育を受けるようになり、急速に洋服と靴が普及し、物資不足であった日本では、更生服と呼ばれる、手持ちの洋服や着物、生地を仕立て直した服が作られ始めるのです。当初はアメリカの影響を受けてAラインのワンピースなどが流行しますが、次第にパリのモードの影響が強くなっていきます。

着るものだけではなく、それに合わせて履物も変化していきます。かつては地面対してフラットで足の指と踵をしっかりと地面につけて歩く、草履、下駄などを履いていた日本人が、急に母指球に重心がかかり、踵から勢いよく着地する歩き方をしないと上手く歩けない靴へと変わったのです。

つまり、このアンケート結果に書かれている世界基準とは、「ずっと洋服と靴を着用してきた国の人たちが良いとする基準」ということで、「世界」ではないということです! 日本の皆さんはすぐに欧米と比べたりしがちですが、そのマインドはいったんリセットしましょう!

そんなことを言っても今は靴と洋服を身に着けて生活する時代に私たちは生きています!

なぜ、日本人が不格好に歩くように西洋の人が感じるのか? それは、持っている骨格のまま軸を靴仕様に変えずに、上手く歩けるように必死にバランスを取ろうとしていろんなところに負担がかかっているからだと言えます。バランスをとろうとすると膝が曲がり、膝が曲がると猫背に見えてしまいます。そういう状態で高いヒールの靴で歩くと、もともと靴と洋服を着てあるく文化の中で育った人たちにかっこ悪いと言われてしまうのです。
カッコ悪いと言われるのはともかく、そのような姿勢で歩いてしまうことは、外反母趾やひざへの負担が大きくなり、将来的に自分自身の健美に悪影響を将来的にもたらします。

でも今さら日本人は着物と草履の生活にもどれませんよね? 一体どうすればよいでしょうか?

答えは、服装と履物に合わせた身のこなしを習得すればよいのです。

宮本武蔵は、「五輪書」で、軸の切り替え動作により動きが生じるとしています。身体感覚を磨き、普段の歩くことさえ 「武芸」と捉えていた武蔵は、「常の足、普段歩くように戦いの場でも歩け」と言っています。つまり、戦いのときだけ特別なのではなく、身体感覚を磨く普段の生活こそが、本番に生きてくるとしたのです。

つまり、日本人の骨格を理解したうえで、どこに軸を持っていくと自身の身体に負担がかからずに立てるか、動けるかという身体感覚を磨くことが、地味ですが、どんな服装や履物を履いても美しく歩ける一番の近道となります。

一流のアスリートは、この身体感覚を研ぎすます地味なトレーニングにものすごく時間をかけています。
表舞台で派手に美しく見える動きは、コツコツと毎日積み重ねる地味なトレーニングが土台となっているのは、どんな職業も同じですし、国による違いもありません! 

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