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無宗教だった俺がクリスチャンになるまで3

written by wattle🌼

幼稚園時代から時間は流れ、wattleが大学二年生のときのお話です。

■遠藤周作『沈黙』を読む
大学二年の年の瀬、大学生協の本屋をぷらぷらしていると、作家『遠藤周作』の名前が目に留まった。高校一年の時、現代文の推奨図書で遠藤周作の「海と毒薬」を読んだことがあり、それ以来の再会だった。

サークル三昧の毎日だったが、たまには正月休みに読書でもすっか。。。ということで、遠藤周作の作品の中で、平積みされていて一番読まれてそうだということで手に取ったのが、『沈黙』だった。本当に偶然の出会いだった。

正月は福島県にある父の実家で過ごす。おじいちゃんの家の畳に寝転びながら、俺は『沈黙』を読み進めていった。

『沈黙』の簡単なストーリーとしては、禁教下の江戸時代、長崎が舞台。主人公は、そこに果敢に乗り込んでゆくポルトガル人宣教師の若者。主人公を救世主のように慕う隠れキリシタンの人々は、踏み絵でじりじりと炙り出されてゆく。そして、信仰を貫いて「踏まなかった」、純朴で高潔な農民たちが、次々に無惨に殺されてゆく。やがて主人公も、壮絶な逃亡の果てに奉行に捕まり、拷問を受け、棄教をせまられる…というお話。

一気に読み終えて、茫然となった。そして、自分はあまりにも無知だったと感じた。
踏み絵のことは歴史の授業で知っていたけど、そこで何が起きていたか、何も分かっていなかった。
子どもの自分が何となく「宝物」にしていた十字架のために、命をかけて行動したり、命を捨ててもそれを守ったり、苦悩の果てにそれを捨てた人々がいた。

「謎の十字架」の正体をもっと知りたい、いや知らなくてはならないのではないか。。。

■『沈黙』の読後
こんなモヤモヤを引き金に、遠藤周作の作品を少しずつ読み始めてゆくようになる。
でも、この時の俺はクリスチャンになるつもりなんて毛頭も無かった。神なんて科学的に考えて存在するはずがないし、宗教ってやっぱり胡散臭かった。(俺ら世代はオウムの事件をガキの頃に目の当たりにしていて、そういうのも影響していたと思う)
ただ、遠藤周作の作品がおもしろそうなので、色々と手を出してみようと思った。

とはいえ、俺の信仰への道はこの時に始まったと、振り返って考えている。

遠藤周作は言う。「生きていると、どうにも説明がつかないこと、受け入れられないことに出会ってしまう瞬間がある。その、誰にでも起こってしまい得る答えの無い「問い」こそが、「神」なのである」

written by ひろびろ🍀

そんな経緯があったんだね。『沈黙』を読んだときの衝撃度合いが少し想像できた気がしたよ。

そこまでの心を揺さぶられたのは、カトリック系の幼稚園に通ってたことも関係しているんだね。自分がよく意味もわからずに触れていたもの、宝物にしていたものが、ある人にとっては命を懸けるほどのものだったんだもんね…。

一方で、wattleの中にそれだけの衝撃を受ける因子が別にあったのも感じるなあ。幼稚園はwattleが選んだものではないと思うけど、同じ幼稚園に通ってもキリスト教に興味を持ったり、沈黙を読んで人生が変わる人ばかりでもないわけだし。。

こういう話を聞くと、wattleはとても内面世界の豊かな人なんだなあと思う。目に見えない精神的な世界が、俺が日々接している人々とは比較にならないくらい豊かで深い。目にに見えてるwattleの肉体そのものより、目に見えない精神世界のほうがなんて広いことか…。

サン=テグジュペリが『星の王子様』で書いたように、きっと人生の中で大切なものって目に見えないと思うんだよね。wattleはその大切なものをちゃんと大切にしているなといつも感じるよ。

written by wattle🌼

一方で、wattleの中にそれだけの衝撃を受ける因子が別にあったのも感じるなあ。

ひろびろに言われるとそうかも…って思ったので改めて振り返ってみたけど確かにもっとありそう。さすがひろびろ笑

1つは、俺が高校生(たぶん一年生)のときに家族で行ったイタリア旅行。キリスト教にかかわる世界遺産をめっちゃたくさん見てきて、どれもすごい荘厳で美しかった。

バチカンのサン・ピエトロ大聖堂

その中にあるピエタ像(十字架からおろされたイエスとマリア)

ミラノの大聖堂

水の都ベネチアのサン・マルコ大聖堂

今思うと、16歳のときに、「なんかきれいな不思議な十字架」がモチーフのキリスト教に、圧倒的に美しい美術・芸術、さらには豊穣な歴史を生み出してきたすごいもの!という認識が加わった気がする。(これもあり、高校二年生では世界史を選択する)

こんな経験と『沈黙』とがどうつながるかというと、イタリアで目にした美しいものと、日本で『沈黙』の時代に起きたこととの、余りにも大きなギャップが、やはり俺に理解不能感をもたらした。

上の写真を見た後に、3分弱と長いんだけど、沈黙の映画版の予告編をみてほしい。
https://youtu.be/uY_g2ta6_8g



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